赤ちゃんが憎たらしかったら、親は自分の寝る間も惜しんで、また空腹をガマンして、食べ物を捧げようとは思いませんよね。自分の下半身を覆う布さえ持たない赤ちゃんでも、ときどき笑うあの笑顔に象徴されるかわいらしさがあるから、生きていけるのです。
赤ちゃんの持つ笑顔と無垢な心は、大人になっても持ち続けることができます。
「外側を飾るもの」などあんまり持っていなくとも、自分にできることを一生懸命やる誠実さ。
いつも笑顔で人に接する温かさ。
人の力になりたいという思いやり。
これらがあれば、シンプルに、みんなにかわいがられて、幸せに生きていくことができるのです。
「外側を飾るもの」に気持ちが引っ張られそうになったら、そこから一歩身をひいて、どうぞ赤ちゃんの笑顔を思い出してください。裸一貫で笑って生きていく元気が湧いてくるでしょう。
「等身大の生活」について、みな勘違いしていること
いろいろなところから出ている「年収と貯蓄率」のデータを見ると、年収が1000万~1500万円の人の「貯蓄率」がきわめて低いとわかります。
年収の高い人のほうが、貯蓄率が高そうな気がしますが、そうではないようです。なぜでしょうか?
思うに、1000万円を超えるくらいの高収入があると、“イケイケの生活”に走ってしまうからでしょう。
高級スポーツクラブに通い、服はブランド物でキメて、車はベンツやBMW。子どもの学校は私立、食材の買い物は成城石井……といった具合に、お金があるだけに出費がどんどん増えてしまうのです。
結果、貯蓄に回すお金が少なくなる、という構図がそこにはあります。
そういう人は、じつは金融機関、たとえば銀行からの信用も低かったりします。銀行は、お客さまが信用に足る人物かどうかを年収より貯蓄で判断します。
大事なのは「等身大の生活」です。
ここでいう「等身大の生活」とは、多くの人が勘違いしているのですが、「お給料が少ない人はそれに見合った質素な暮らしを、多い人はそれに見合ったぜいたくな暮らしをする」という意味ではありません。