生活レベルというのはそういう“変動金利”のようなものではなく、“固定金利”。お給料の額が増えても、生活のレベルを維持すること、いたずらに変えないことが理想です。
わかりやすくいいましょう。
「入るお金は増えても、出るお金はこれまでと同じ額に抑えて無駄なく暮らす」
これが「等身大の生活」なのです。
そもそも収入がどんなに増えようとも、自分の身一つにかかる出費がそれほど大きく増えるということはありませんよね?
よく「等身大の生活をしましょう」というと、「いやいや、社会的地位もあるし、そうもいきませんよ」などという人がおられますが、それは思い込みなのです。
そんな思い込みから離れましょう。よく考えればわかることです。「社会的地位」なんていうものは、「等身大の生活」を続けることの障害にはなりません。
お釈迦さまが説く「賢いお金の使い方」
仏教の経典『六法礼経』に、
「お釈迦さまの四分の一投資法」
という教えがあります。
お釈迦さまがお金の話をされるとは、ちょっと意外に思うかもしれませんね。
でも仏教では、在家者(出家していない人)に対して、財産のつくり方などについて、詳しく指南しているのです。
そこには、経済的に苦しんだ人たちに向き合い、問題を解決してきた知恵が受け継がれています。
その「四分の一投資法」とは、どんな教えなのでしょうか。
第一の原則は「自分の収入の範囲内で生活する」ということです。
これは当たり前のこと。収入から支出を引いた値がゼロ以上でないと、生活できません。
けれども、「こんな簡単な引き算ができないの?」とふしぎに思うくらい、マイナスを計上する人が少なくないのです。
優秀な大学を出て、「素因数分解」みたいな難しい計算式を理解している人でさえ、ときに支出が収入を上回ってしまい、苦しんでいますから、要注意です。
この原則をふまえたうえで、まず収入を半分に分けます。
たとえば、月に30万円をもらっているとして、半分は15万円です。