選手陣をそろえるため6億5000万ドル(約956億円)近くを費やしたにもかかわらず、米大リーグ(MLB)で最も権威ある2球団は、必ずしも順調な夏を過ごしたとは言えなかった。米野球界を支配する運命にあると思われたスーパーチームのロサンゼルス・ドジャースは、故障者の続出、スター選手ムーキー・ベッツの長期低迷、高額で獲得した多くの新戦力の期待外れのパフォーマンスに見舞われた。一方、ニューヨーク・ヤンキースは、度重なるリリーフ投手陣の崩壊、理解しがたい基本プレーのミス、いら立たしいほどの不安定な戦いぶりに悩まされ、解決策の模索に追われることが多かった。これは、10月のポストシーズンでヤンキースとドジャースが派手に自滅するのを見たいと願う全米の何百万人ものファンに希望を与えるには十分だった。