「大学4年生です。もう10月なのにまだ内定がありません。私はどこにも就職できないのでしょうか?」
新刊『ありのままの自分で、内定につながる 脇役さんの就活攻略書』は、特別なガクチカも将来の夢もなかった普通の就活生=「脇役さん」の著者が、1000冊以上の本を読み込み、自分だけの就活戦略をつくりあげ、食品超大手を含む22社から内定を得た実体験から生まれた一冊です。
「長期インターンにも行っていないし」「自己PRで語れることがない」――。
そんな普通の就活生が、どうすれば自分に合う企業に内定を取れるのでしょうか? 就活に不安を抱えるすべての学生、そしてその姿をそっと見守る保護者の方に届けたい、内定につながるリアルな戦略が詰まった、まったく新しい就活本です。今回は、大学4年生の10月からの就活について著者である藤井氏が特別に書き下ろした記事をお届けします。

出遅れた就活を考える
大学4年の10月に内定がゼロなのは、例えば公務員志望から民間に切り替えたり、大学院進学から切り替えるなど、全然ありえる状況です。
そして3月の卒業までの半年で内定を獲得しなければなりません。
ただ、この状況に焦る必要はありません。今からでも自分にあった企業の内定は狙えるのです。
もちろんやるべきことに効率的に取り組む必要はあります。
大学4年の10月からはいかに効率的に、自分に合う企業を定義付けて、選考対策していくかがポイントになります。
今回はその具体的な方法を解説していきます。
まずは「就活の定義」を考えよう
具体的に何から始めるべきか。
まずは就活をシンプル化することから始めましょう。「就活」という言葉をより具体化します。
就活は自分に合いそうな企業を選び、その企業から内定を獲得することです。
つまり「選ぶ」と「評価される」に分けることができます。
選ぶことの精度と、評価されることの精度、その両方を高めるゲームだと考えてみてください。
仮に「選ぶことの精度」を上げる努力をしないと、入社後に「全然自分に合わないじゃん」とミスマッチに繋がります。
そして「評価されることの精度」を上げる努力をしないと、何社受けても、すぐに不採用になってしまいます。
一方で、この両方の精度を上げた人は、極端な話、1社エントリーするだけで就活を終了することができます。
まずはこのように就活は選ぶことと、評価されることのそれぞれの精度を高めるゲームだと認識すること。
そうすれば取り組むことが見えてきます。
「選ぶこと」の精度を高める方法
まず就活を成功させる(=自分に合う企業に入社する)ためには、自分に合う企業を選べるようにならないといけません。
恋愛に例えるとわかりやすくて、自分に合う人を選ぶためには、ある程度「自分にはこういう人が合う」という特徴を明確化しておく必要があります。
これが分からないと、付き合ってから合う合わないがわかる、要するに「運任せ」になってしまいます。
よって、就活では自分にはどんな企業が合うのか、その特徴を明確化しましょう。
僕が就活生の時は、次のような特徴を理由とともに明確化しました。
・残業時間が25時間未満(理由:平日の仕事終わりにカフェに行きたいから)
・職種は「ルート営業職」(理由:新規の飛び込みは向いてないけど既存のお客さんとのやり取りなら得意なのと、オフィスから出る時間が多いのが良い)
ざっくりと上の3つの特徴だけでも、十分に企業を絞り込むことができます。
ちなみに年間休日の日本企業の平均は110~120日、残業時間は20~25時間なので、この平均値から設定しています。
そして、職種、つまりは仕事内容に関しては特に時間をかけて考えてください。
3年以内に辞める理由として、数々の調査で1位が「仕事内容が合わない」となっています。
どれだけ労働環境が良くて、人間関係が良くても、毎日の仕事内容が合わないときついです。自分が苦手なことをやるのは本当に苦痛ですからね。
例えば、僕は退屈な時間とじっとしているのが苦痛なので、事務職や工場での技術職は絶対に合いません。
仮にこれらの職種に就いたら、2日で辞める自信があります。
このように、自分に合う企業の特徴を労働条件、仕事内容を元に考えていきましょう。
ここに時間をかけることで、大学4年の10月からでも十分に自分に合った企業に入社できるようになります。
反対に「早く内定を獲得しないと」と、これらを考える時間を設けずに、適当に企業を受けてしまうと、先にも伝えたとおりで、全て「運任せ」になってしまいますからね。