「完全食」のはずが逆効果に…管理栄養士が警告する「NGな食べ方」とは?写真はイメージです Photo:PIXTA

ここ数年、スーパーやコンビニ、ネット通販で「完全食(完全栄養食)」という言葉を耳にする機会が増えました。完全食とは、一体どんな食品なのでしょうか。どんな時に取り入れれば効果的なのでしょうか。解説します。(管理栄養士 岡田明子)

「忙しい人の強い味方」
完全食とはどんな食品?

 完全食とは、人が健康を維持するために必要なたんぱく質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラルなど、必須栄養素をバランスよく含む食品のことを指します。

 従来は、栄養素をバランスよく取るには多くの食品を組み合わせて調理する必要がありましたが、完全食は1つの商品で必要な栄養をほぼ網羅できるため、「忙しい人の強い味方」として注目されています。

 最近では、ドリンクタイプ(シェイクやスムージー)、バータイプ(チョコバー・クッキー型)、レトルトご飯やパスタ、冷凍弁当など、ライフスタイルに合わせて選べるラインナップが増えています。

 最近のビジネスパーソンに見られる傾向として「忙しさからの朝食抜きや外食が多くなってしまう」「糖質や脂質は多く取るが、タンパク質・食物繊維・ビタミン・ミネラルが不足している」「内臓脂肪増加や血糖値・血圧の上昇傾向」などがあります。

 完全食は、これらの問題に対して、短時間で栄養を補えることができ、不足しやすい栄養素をカバーでき、食べ過ぎ防止や血糖値急上昇の抑制につながるといったメリットがあります。

 完全食は、毎食すべて置き換えるのではなく、不足しやすいタイミングを補うツールとして使うのがポイントです。