
中小企業であっても取引先と対等なビジネスパートナーとして付き合える企業と、“下請け”扱いで理不尽な要求をされてしまう企業。その違いはどこにあるのでしょうか。(小宮コンサルタンツ代表 小宮一慶)
取引先がモンスター顧客になる企業と
パートナーになる企業「2つの違い」とは?
顧客とは本来は対等なビジネスパートナーです。しかし、現実には上下関係のような構図になり、場合によっては理不尽な要求を押し付けられるケースもあります。
特に中小企業は発注元の大企業に対して弱い立場に置かれやすく、その結果、無理難題を押し付けるといった「モンスター顧客」に振り回されることも少なくありません。
では、そうした扱いを受けてしまう企業と、対等に付き合える企業の違いはどこにあるのでしょうか。
その分岐点は、取引先大企業の社風と、自社の実力の双方にあると考えています。
まず社風です。
大企業であっても業界での立場や文化によって、中小企業への接し方が変わります。あるメーカーは下請けにとても厳しく接することで知られている一方、同じ業界の別のメーカーは下請けに比較的ジェントルな対応をしているということはよくあります。
結局のところ、対応する担当者の性格だけでなく、会社の社風や組織文化が色濃く反映されるのです。これは、相手のあることですから、自社だけでは変えるのは難しいことです。
次に実力です。
法律上は立場が対等でも、自社に実力がなければ、結局は値引きや無理難題を押し付けられてしまいます。 他社でも同じようにできる製品を提供しているなら、相手が「それなら安い方にしよう」と考えるのは当然です。これは下請けいじめではなく、市場原理の結果にすぎません。
不当な要求に過度に応じる必要はありませんが、替えが利く存在である限り、値引き要求が強まるのも仕方のない側面があるのです。