「会社がぜんぜん楽しくない…」
あなたは今の職場で、「うまく言葉にならない“悩み”」を感じたことはないだろうか。「この会社で一生働くなんて無理…」「でも、他に“やりたいこと”もない…」「だから、しぶしぶ働いている…」そんな日々に「このままでいいのか?」と不安になったことも、一度ではないはず。
こんな“うまく言葉にできないモヤモヤ”を「見事に“言語化”してくれた!!」と話題なのが、新刊『「いい会社」のはずなのに、今日もモヤモヤ働いてる』だ。各所から共感が殺到している本書の内容に沿って、今回は「キャリアのモヤモヤ」の正体について解説する。

「一生この会社で働きたくない人」必見。今すぐやるべき“1つの行動”の中身Photo: Adobe Stock

未完成のまま、1つやってみる

 失敗は、やっぱり怖い。恥をかきたくないし、損もしたくない。
 そして何より――うまくいかない自分を、自分で直視したくない。

 この感情は、ごく自然なものだ。人は本能的に、「失敗=危険」と感じるようにできている。

 けれど、その感情に従えば従うほど、動くことが怖くなる。

「まだ準備が足りない」「今はタイミングじゃない」――そんなふうに、自分でも納得できる“言い訳”を、少しずつ積み上げてしまう。

 でも実は、その「止まっている時間」こそが、気づかないうちに――けれど確実に――私たちのエネルギーを削っているのだ。

 動かずに守ったつもりが、やがて「動けない自分」への失望となって跳ね返ってくる――その構造こそが、じわじわと心を削る、見えにくい毒なのだ。

致命傷の避け方を「身体知」でつかんでおく

 年齢にかかわらず、「取り返しのつく小さな挑戦」は、誰にでも残されている。とくに20代~30代は、体力も、回復力も、まだ十分にある。「失敗できる特権」を持っている。

 大切なのは、「致命傷だけは避ける」こと。小さく始めて、軽く転び、素早く立ち直る。そのリズムを、少しずつ身体に馴染(なじ)ませていけばいい。

 まるで“セーブ機能付きのゲーム”で遊ぶように――何度も試して、何度でもやり直せばいい。

 この“転び方”こそが、長いキャリアの中であなたを守ってくれる「身体知」になる。転ぶことを恐れない感覚が、あなたの行動に、自由をもたらしてくれるのだ。

「試行錯誤の習慣」を手に入れよう

「見切り発車」で、走りながら、整えていけばいい。

 すべての情報を集めてから動こうとすると、かえってすべてが正しく見えてしまい、余計に動けなくなる。

 ほんの少し勇気を出して、一歩を踏み出した人だけが、“試行錯誤の習慣”を、少しずつ身につけていく。

 見切り発車は、無鉄砲の象徴ではない。優秀だからこそ慎重な人が、それでも前に進むための手段なのだ。

 失敗を避けるのではなく、失敗とともに歩む“戦法”を見つけよう。

(本記事は『「いい会社」のはずなのに、今日もモヤモヤ働いてる』の一部を編集・加筆・調整した原稿です)