なぜか文章がスラスラ読める人が持つ「気持ち悪さ」をヒントに変える驚きの思考法
【高校にも塾にも通わず、完全独学で東大合格!】――しかも、首席合格とわずか3点差のほぼトップ合格!『成績アップは「国語」で決まる! 偏差値45からの東大合格「完全独学★勉強法」』(ダイヤモンド社)の著者は、中学3年生のときに「東大合格」を宣言。高校にも塾にも通わず、完全独学で東大合格を目指したけれど……全国模試は「偏差値45」。そこで、徹底的に「国語」鍛えるという“大逆転の勉強法”を編み出す。勉強の大半を「読書に費やす」という常識外れの戦略で、全科目の成績が軒並みアップ! すべての科目は結局、国語の力がモノをいうことがわかった。コスパとタイパを徹底し、四コマ漫画や恋愛ゲームで楽しみながら学力を高める方法から勉強への合理的なモチベーションの高め方までを徹底指南。超★実践的な成績アップ法を初公開する。
※本稿は、『成績アップは「国語」で決まる! 偏差値45からの東大合格「完全独学★勉強法」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。

偏差値70の子は知っている…文章に隠された“気持ち悪い”言葉の探し方Photo: Adobe Stock

文章に隠された「鍵」を見つけ出す視点

文章を読むときに大切なことは、「キーワード」に着目するという点です。そこでまずは、次の文章を読んでみましょう。

あなたにとって、次の文章で扱われている「不安」のようなものを一つ取り上げ、そのことについて説明しなさい。

まったくもって好きなものではないし、おそらく誰にとっても少し嫌なもののはずなのに、どんなときでも私たちの前にはいつでも不安がある。どんな人にとっても、生まれてから死ぬまでの間、つき合い続けていくものなのだろう。
生まれたときから、この世での振る舞いが分からないという不安に泣くところから人生が始まった。小学校のときには、学芸会の劇でセリフを飛ばしたらどうしようと、一晩中ドキドキして眠れなかった。頭の中には失敗のイメージばかりふくらみ、どうにも落ち着かなかった。そのせいで、必死にセリフを覚えたり、友だちと入
念に合わせる練習をしたりして、結果的には大失敗だけはまぬがれた。ずっとそうやって、「こんなものから早く解放されたい」と思うばかりで今日も私は生きている。
不安というのは、どこまでも厄介で嫌なやつだと思う。試合や試験の直前にも現れるし、結婚式などの幸せなはずの場でも腹の奥をずんと重くする。その不安に突き動かされるように、わたしたちはいろいろなことを考え、努力する。不安という先生は決して我々を逃してはくれない。
人生について考えるときに、まず思い浮かぶのは不安のことだ。人生に不安が、先生としているだけで、何かが変わってくる。

これは実際に最難関校の1つの中学受験で出た問題の類題です。この問題で、「不安」の特徴として以下のものを見出すことは、ほとんどの人ができるかと思います。

❶まったくもって好きなものではない
❷ずっとつき合い続けている

違和感という名のヒント

しかし、これだけでは十分ではありません。文章の後半を読むと、“普通ではない表現”が複数回出てきます。キーワードとなるのは、「先生」です。

あなたは、不安のことを「先生」と思ったことはあるでしょうか? 普通は、なかなかそうは思わないですよね。

作者がわざわざ不安を「先生」と表現したのは、不安は単なる避けるべき嫌な気持ちではなく、自分の「日々の生き方」を考えさせてくれるような問いかけを発する原動力としても捉えているからです。

だからこそ、この作者は一般的に不安に対して使わないような「先生」という“普通ではない表現”を使っているのです。ある種の“気持ち悪さ”を抱かせるものです。