いま成人の3人に1人かかっている脂肪肝! 専門医として40年以上肝臓を治療する医師が提案する解決法が、『肝臓専門医が教える脂肪肝が気になる人の魔法のスープ』(ダイヤモンド社)。脂肪肝に自覚症状はないものの、放置すると肝炎、肝硬変、肝臓がんと進んだり、脂肪肝を起点にさまざまな病気や症状も生まれたりします。糖尿病から、肥満、意外にもぎっくり腰や認知症まで、あらゆる不調の引き金にも。でも大丈夫! 肝臓は再生能力が非常に高いので、肝臓の脂肪を落とし、代謝、解毒、免疫をパワーアップすることで、さまざまな病気を遠ざけて、健康長寿を実現します。

【感謝】肝臓が1日で処理する「体内の仕事量」が想像以上だったPhoto: Adobe Stock

そもそも肝臓ってどんな臓器?

 お酒をよく飲む人にとって、肝臓は身近な臓器なのではないでしょうか。たしかにアルコールの分解に関わる臓器に間違いないのですが、ほかにもたくさんの仕事をしています。まずは肝臓がどんな臓器であるかを解説しましょう。

 肝臓は2500億個もの肝細胞からなる、体内で最も大きい臓器です。体重の約50分の1といわれ、男性なら約1.5kg、女性なら約1.3kgあります。さまざまな化学反応を処理するため、体内の化学工場と呼ばれることもあります。

肝臓の主な働きは3つあります。
1 栄養素の代謝
 食事でとった栄養は胃や腸で分解、吸収されますが、それを体内で活用しやすい形に変えて供給したり、別の形にして貯蔵したりする役割です。
2 有害物質の解毒
 体内に取り込まれたアルコールや体内で発生したアンモニアなどを無毒化し、排出しやすい形に変えて排出します。
3 胆汁の生成
 胆汁とは、主に脂肪とたんぱく質を分解しやすくする働きをもつものです。胆汁は胆のうで蓄えられ、必要に応じて十二指腸に分泌されます。私たちの生命の維持、健康の維持に重要な役割を果たしているのが肝臓です。

 肝臓は2500億個もの肝細胞からできていると書きましたが、その一部が炎症を起こしたとしても、健康な細胞がすみやかに働きをカバーし、再生、復活する能力があります。
 肝臓が「沈黙の臓器」と呼ばれる理由はそこにあります。多少の不具合が出ても、違和感、痛みを感じるなどの、自覚症状が出ることはほとんどありません。
 倦怠感や黄疸などの症状が出たときは、すでに深刻な状況に進行している可能性が高いです。

※本稿は『肝臓専門医が教える脂肪肝が気になる人の魔法のスープ』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。