
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が調査したエコノミストらによれば、人工知能(AI)への投資が活発化し、関税を巡るリスクが後退する中で、米経済成長の見通しは上向いている。
調査が行われたのは今月で、ドナルド・トランプ米大統領が中国に対して高率の関税を課すと警告する前だった。エコノミストらは、経済成長の見通しを引き上げた一方で、雇用の見通しを引き下げた。
この奇妙な二分法の背景は次のようなものだ。雇用主は、投資、とりわけAIへの投資が生産性や経済成長を押し上げているにもかかわらず、政治の不透明感やコスト上昇を考慮して雇用に消極的になっている。
今年第4四半期(10-12月期)のインフレ調整後の国内総生産(GDP)に関するエコノミスト予想の平均は前年同期比1.7%増となっており、7月の調査の平均1%から大幅に上昇した。2026年については、エコノミストらは依然1.9%の成長を見込んでいる。
予想が上方修正された理由の一つは、関税が引き続き景気の重荷になる一方で、関税を巡る確実性が増していることだ。トランプ氏は日本や欧州連合(EU)など主要な貿易相手国・地域と合意を結んだ。また、関税が物価に及ぼしている影響は予想されたより小さくなっている。エコノミストらは現在、第4四半期の個人消費支出(PCE)価格指数で見た前年同期比のインフレ率が関税措置によって0.5ポイント押し上げられると予想している。これは4月の調査で予想されていた1ポイントから縮小している。