いま成人の3人に1人かかっている脂肪肝! 専門医として40年以上肝臓を治療する医師が提案する解決法が、『肝臓専門医が教える脂肪肝が気になる人の魔法のスープ』(ダイヤモンド社)。脂肪肝に自覚症状はないものの、放置すると肝炎、肝硬変、肝臓がんと進んだり、脂肪肝を起点にさまざまな病気や症状も生まれたりします。糖尿病から、肥満、意外にもぎっくり腰や認知症まで、あらゆる不調の引き金にも。でも大丈夫! 肝臓は再生能力が非常に高いので、肝臓の脂肪を落とし、代謝、解毒、免疫をパワーアップすることで、さまざまな病気を遠ざけて、健康長寿を実現します。

肝臓に余分な脂肪がたまると脂肪肝になる
肝臓は、食事で入ってきた糖質が分解されたぶどう糖を、グリコーゲンとして貯蔵し、必要に応じて再びぶどう糖に変換して放出します。
しかし糖質が多すぎると、肝臓で貯蔵できない分は中性脂肪に変えて蓄えることになります。これが増えた状態が脂肪肝、新しい名称を「脂肪性肝疾患」といいます。実は日本人にはこのタイプが多いといわれています。
そもそも健康な肝臓には、体を動かすエネルギー源となる中性脂肪が3~5%貯蔵されています。肝臓にとって適量の中性脂肪は必要なのですが、この中性脂肪が増え過ぎることで、問題が発生するわけです。
具体的には、中性脂肪の割合が20%を超えてくると、肝細胞が炎症を起こしはじめ、機能が低下していきます。これが脂肪肝です。
脂肪肝が進むと、肝臓になんとかためられる容量をオーバーした中性脂肪が血液中にあふれ出ます。すると肥満につながったり、アルコールや糖を代謝する働きが落ちて血糖値が不安定になったりします。また、血液中に脂肪があふれると血液がドロドロになり、動脈硬化を引き起こしやすくなります。動脈硬化の先に、心筋梗塞や脳卒中が見えてくるのはご存じのとおりです。
ちょっとした不調も、元をたどれば、脂肪肝のせい
このように脂肪肝は、さまざまな体のトラブルの元凶となります。肥満を解消したくてがんばっているのにやせない、なんとなく疲れやすくなった、急に老け込んだ気がする……というちょっとした不調も、元をたどれば、脂肪肝のせいだったりするわけです。
脂肪肝は、さまざまな病気のもとといえるでしょう。脂肪肝の不安がある人は、ほったらかしはNG! 今すぐ対策を講じるべきです。
※本稿は『肝臓専門医が教える脂肪肝が気になる人の魔法のスープ』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。