平均濃度が最も高かったのは
ホットティー 

 その結果、飲み物の提供形態に関わりなく、調査した全てのサンプルからMPが検出された。平均濃度が最も高かったのはホットティーで60±21MP/Lであり、次いで、ホットコーヒーでの43±14MP/L、アイスコーヒーでの37±6MP/L、アイスティーでの31±7MP/Lであった。

 温かい飲み物は冷たい飲み物に比べてMP濃度が有意に高く、温度が高いと包装材からのMP溶出が促進されることが示唆された。ジュースのMP濃度は30±11MP/L、エナジードリンクは25±11MP/Lで、濃度が最も低かったのはソフトドリンクの17±4MP/Lであった。

 検出されたMPのサイズは10〜157μmで、髪の毛1本が約70μmであることを考えると、ほとんど目に見えないサイズだと言える。形状は破片、ポリマーの種類はポリプロピレン(PP)が最も多かった。

 ただし、本研究では、10μmを超える粒子しか検出されなかったため、さらに小さなナノプラスチックが存在していた可能性があることを研究グループは指摘している。

 研究グループによると、飲み物中の合成プラスチックの含有量を増加させ得る要因としては、熱、炭酸(泡が容器にかける圧力やストレスでMP量が増加する)、酸性度の高さ、包装材(ペットボトル入りの飲料は紙やアルミボトル入りの飲料よりもMP濃度が高い)の4つが考えられるという。

 また、飲み物がパッケージ化される場所の空気や飲み物に使用される水がMPの発生源になる可能性もあると指摘している。

 世界中でプラスチックの消費と廃棄物が増加し続ける中、MPは新たな経路で環境に侵入し、最終的には食物連鎖に入り込んでいる。

 こうした事態を受けて米イリノイ州環境保護局は、MPへの曝露を減らすために以下の方法を提案している。それらは、1)可能な限り、プラスチックフリーの包装食品、飲料、衛生用品を選択すること、2)プラスチックの使用を減らし、微生物により分解される材質のものを選ぶこと、3)使用済みのプラスチックは、特に摩耗の兆候が見られる場合にはリサイクルに出すこと、4)買い物にはエコバッグを使用すること、5)衣類は可能な限り天然繊維(綿、ウール、シルク)を選ぶことである。(HealthDay News 2025年10月2日)

https://www.healthday.com/health-news/environmental-health/study-finds-microplastics-in-all-tested-beverages-especially-hot-drinks

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