
中高年になると出てくるさまざまな体の不調。毎日の食事を見直せば、改善されるかもしれません。今回は、疲労や体力の低下を回復する栄養素に注目しました。誰でも作れる超簡単なレシピもご紹介します。(管理栄養士 岡田明子)
習慣的に取り入れたい
疲れにくい体を作る食材
中高年になると「疲れやすい」「体型が変わってきた」と感じる方は多いでしょう。そうなる理由にはさまざまありますが、大きく影響を及ぼしているのが「筋肉量の減少」です。
筋肉の維持に欠かせない栄養素は、タンパク質です。そこで今回は、タンパク質を毎日の食事に取り入れることの重要性と、習慣的に無理なく取り入れるためのコツをお伝えします。
40代以降は、年に1%ずつ筋肉量が減少するといわれています。筋肉が減ると基礎代謝が下がり、太りやすい体になります。さらに体力の低下や疲労感の原因にもつながります。
タンパク質は、筋肉だけでなく血液や酵素、ホルモン、免疫細胞の材料でもあります。十分な量を取ることで代謝がスムーズに回り、疲れにくい体をつくる助けになります。
また、糖質や脂質に偏った食事を続けると、生活習慣病のリスクが高まりますが、タンパク質を意識的に取り入れることで、食後の血糖値上昇が緩やかになり、肥満や糖尿病予防にもつながります。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」では、成人男性(40〜50代)の1日のタンパク質摂取推奨量は65g、成人女性は50gとされています。男女ともに、理想的には、1食当たり20g前後のタンパク質を摂取したいところです。
しかし実際には、朝食はパンとコーヒーだけ、昼は麺類や丼もの、夜は揚げ物などをつまみに晩酌……で、推奨量には届かないという人も多いのではないでしょうか。