食事は毎日のことだから、特にケチ道が活かせる!
我慢せずに取り入れられることから始めよう

 ここからは松本さんの実践する「食費」節約術を見ていこう。

「食事は毎日のことだから、特に節約を意識します。まず、買い物の予算決めや、家庭菜園で出費を減らすのが効果的。予算があると吟味するクセが付きます」(松本さん)

 あれもこれもと買ううちに「思ったより高くついた!」というのはよくあること。松本さんは“ついつい買い”を防ぐため、財布には現金5000円とポイントカードだけ入れて買い物へ行くという。

 それでも物価高騰で、予算内で買い物するのはなかなか大変。特に、価格が高止まりしている米は、家計を圧迫しがちだ。「対策として、私はしらたきでかさ増し。米2合に対してしらたき1パック(150gほど)を用意し、1cmほどの長さにカット。2合の水加減で炊飯器で炊くだけです。見た目はほぼ影響なくかさ増しでき、ヘルシーにもなります」(松本さん)。ちなみに、味や食感も違和感はないので、誰にでも挑戦しやすい。

 食事のメニューは日持ちする玉ねぎやじゃがいも、にんじんなどの「常備野菜」と、肉や魚などその日の「安売り食材」の組み合せで決めるのが基本。「安売り食材としては、割安な大容量パックが狙い目です。カレー⇒親子丼⇒肉じゃがなど味付けを変えれば、飽きることなく食べ切れますよ」(松本さん)

 また、家庭菜園やキッチン菜園も食費節約には役立つという。夏場であれば、松本さんのおすすめはゴーヤ。「1つ約300円の苗を3つ植えて、毎年60本ほど収穫し、炒め物やピクルスに。栽培が簡単で、買えば1本200円とすれば、なんと1万2000円分!」(松本さん)。なお、秋は春菊がおススメだそう。

 家庭菜園より手軽なキッチン菜園で、豆苗なども育てている。「豆苗の場合、根や豆の部分を残しておきます。それを清潔な容器に入れて、毎日水を変えて日当たりがいい場所に置くだけ。1週間ほどで収穫でき、我が家では最低2回は再生。炒め物が美味しいですよ!」(松本さん)

 ちなみに、料理で出た野菜くずなどの生ごみはコンポストへ。微生物の働きで発酵・分解。たい肥化して家庭菜園に使っている。「これまで捨てていた生ごみを減らせるうえに、美味しい野菜も育つので一石二鳥です!」(松本さん)

 いきなりすべて実践するのは大変でも、一つひとつはそれほどハードルが高いことではない。無理なくできそうなものから生活に取り入れてみてほしい。