社会人2年目・ZAi編集部員のザイゼンがお金の“基礎知識”をあれこれ学ぶ連載「目指せ! お金名人!」。今回のテーマは「後払い決済」。近頃、ネットショッピングで後払い決済を利用する人が急増。しかし、そのウラでトラブルも急増しているのをご存じだろうか。そこで今回は、キャッシュレス決済の専門家の山本正行さんに話を聞き、後払い決済の仕組みや、利用上の注意点を教えてもらった!(ダイヤモンド・ザイ編集部 イラスト:オゼキイサム)

「ダイヤモンド・ザイ」2025年11月号の「目指せ! お金名人!」を基に再編集。データはすべて雑誌掲載時のもの。

後払い決済のトラブルはクレカ決済の約18倍!
加盟店審査の緩さから、悪徳業者の温床に!

ザイゼン 友人が「後払い決済」のトラブルに遭ったみたいなんです。

山本 その決済方法は、ECサイトで商品を購入し、商品の到着後にコンビニ納付や銀行振込で代金を支払う仕組みですね。いま利用が増えていて、同時にトラブルも急増中です。

ザイゼン コンビニ払いって一昔前からありましたよね。

山本 そうですね。ただ、昔のコンビニ払いと違って決済事業者がいったん支払いを立て替えるため、販売業者が代金の未回収リスクを負わなくて済む、という構造があります。

ザイゼン クレジットカード(クレカ)を持てない人や、安易に使いたくない人にも便利な決済方法ですね。でも、トラブルが多いんですか?

山本 利用額1兆円あたりの相談件数を見てみると、後払い決済はクレカのなんと約18倍。つまり、苦情の多い決済方法なんです。

ザイゼン なんでこんなに差が?

山本 クレカは加盟店に対する審査が厳しいんです。一方で、後払い決済は加盟店審査が比較的緩く、クレカを決済手段として使わせてもらえない、信用度の低い業者の間でも普及していった背景があります。結果として、その中に悪徳業者が一定数いて、トラブルが増えているんです。