秋の味覚「くり」に含まれる
3つの成分の効果

「見た目」と「血管」の老化の根にある酸化ストレスに立ち向かうには、抗酸化成分を含む食品を日常の食卓に取り入れることが有効です。その中で注目したいのが、秋の味覚の代表くりです。

1) 調理に強いビタミンC

 ビタミンCはコラーゲン生成を助け(※2)、シミの原因となるメラニン生成を抑える(※3)ことで肌の健康を守ります。また、血管内皮細胞を酸化ストレスから保護する働きも報告されています。

 通常はビタミンCが含まれる野菜は茹でたりすることで水に溶け出したり、切り口が空気にふれ酸化することでビタミンCが劣化します。ただ、ビタミンCは熱に弱いので、効率的に摂取するために、調理方法に工夫が必要です。くりを調理する場合は外側の硬い鬼皮に包まれた状態で茹でることで栄養の損失が抑えることができます(ビタミンC含有量は、生ぐり33 mg/100g、ゆでぐり:26 mg/100g)。

2) 渋皮に多いポリフェノール「タンニン」

 くりの渋皮には、ポリフェノールの一種であるタンニンが豊富に含まれます(※5)。タンニンは強い抗酸化作用を持ち(※6)、活性酸素を抑えて細胞のダメージを軽減するという前臨床研究が報告されています(※7)。渋みは敬遠されがちですが、実はアンチエイジング成分の源なのです。

3) 塩分過多を補正するカリウム

 外食やコンビニ食が多いと、どうしても塩分(ナトリウム)の摂取が増えます。ここで働くのがカリウムです。余分なナトリウムを尿として排出し、血圧上昇を防ぐ方向に働きます(※8)。

 くりは100gあたり420 mgのカリウムを含み、果物と比べても高めの食材です。食品からのカリウム摂取を増やすことは血圧低下に有益とする国際的なガイドライン・メタ解析があります(※9)。ただし腎機能に問題のある方は過剰摂取に注意が必要です。