写真はイメージです Photo:123RF
クマとの遭遇が「もしも」ではなく「いつか」の問題になりつつある昨今。2025年、日本のクマ出没数は過去最高を更新する勢いだ。東京や大阪でもクマの出没が目撃されているが、あなたは備えているだろうか?ワイドショーで解説されるような対策はもちろん、実はスマートフォンひとつで命を守れる可能性がある。知られざるクマよけアプリの実力と、AI・ドローンを駆使した最新技術まで、今すぐ知っておくべきクマ対策を紹介する。(テクノロジーライター 大谷和利)
クマ出没圏拡大時代にどう備える?モバイルアプリで可能なクマよけ対策
今やテレビのワイドショーでも、クマに遭遇したらどう被害を避けるかの解説が行われる時代である。いざというとき、あなたはどうするだろうか?実はあまり知られていないが、iOSにもAndroidにもクマよけのためのアプリがあり、出没地がわかるだけでなく、遭遇を避けるための機能が備わっている。
実は、クマ出没圏の拡大は日本に限った話ではなく、他国でも報告されている。今回は、そんなクマにまつわる傾向と対策をまとめてみた。
今年8月まででクマ出没1万6016件!過去最速ペース
日本における年間を通じたクマの出没数は、2023年が統計上のピークで2万4348件。2024年はやや減少したが、それでも2万513件だった。ところが今年は8月までの数字ですでに1万6016件となっており、過去2年の同期間の数字(それぞれ1万705件と1万3778件)を上回ることから、通年で過去最高となることはほぼ確実と考えられる(※1)。
人身被害についても深刻だ。件数、人数、死亡者数を見てみると、2023年でそれぞれ198件、219人、6人、2024年には82件、85人、3人だったのに対して、2025年は8月までに99件、108人、5人となっており、件数に対する死亡者数が多い傾向にある(※2)。
しかもこれらの数字は、クマが生息していない九州・沖縄の8県が除外されているのは当然として、北海道が含まれていない。理由としては、他都府県に比べて面積が広大なため統一的な報告体制の整備が難しいことや、過度な警戒・風評被害を招かないための配慮が考えられる。しかし、北海道のクマ出没数はそこそこ大きな数になることは想像に難くなく、北海道を加えれば上記の数字はさらに増加するに違いない。また、都府県によって集計方法が「警察通報ベース」「市町村聞き取り」「現地調査報告」などと異なるため、それによる誤差も勘案する必要がある。だとしても、今年の出没数と被害が異様に多いことは確かだ。







