SNSを眺めていると嫌でも目につく誹謗中傷の言葉。見ず知らずの他人にそんな言葉を投げつけているのは、意外にも“ごく普通の人たち”だった。新刊『人生は期待ゼロがうまくいく』も話題となっているキム・ダスル氏のベストセラー『人生は「気分」が10割 最高の一日が一生続く106の習慣』(キム・ダスル著、岡崎暢子訳)は、上手なSNSとの向き合い方を教えてくれる。本記事では、ライターの有山千春氏に、「攻撃的な他者との向き合い方」についてご寄稿いただいた。(企画:ダイヤモンド社書籍編集局)

【危機感ゼロ】「SNSで誹謗中傷を行っている人」のアカウントから分かった、意外な正体Photo: Adobe Stock

アカウントには
「私生活」の投稿

 かつて、炎上に巻き込まれたアイドルに対するSNS上での誹謗中傷について、アンチアカウント(=誹謗中傷を行っている人のSNSアカウント)に言及した記事を書いたことがあった。

 アンチアカウントAは日々の行動を写真とともにアップし、Bは子どもとのほっこりエピソードを書き、Cは毎日の食事の写真を投稿していた。どのアカウントも、公開設定に制限をかけておらず、あけすけに私生活を公開していた。

 自分の生活にまったく無関係な芸能人に対して、熱を込めた罵詈雑言を投げられる人たちは、どこでどんなふうに生きているのだろう。

 そんなシンプルな疑問ゆえだった。だからそれぞれのアカウントを観察してみたのだ。

 そして、当然アカウント名などのプライバシーは一切伏せた上で「こういった生活を送っている人たちが、誹謗中傷を行っている」と書くと、記事に対して意外な反応があった。

「一般人のことを書くなんて、信じられない」
「コイツもあのアイドルの一味だ」
「(アイドルから)金で雇われている」

 などなど――。

 話が予想もしない方向に膨らんでいくのを、ただただ見守るしかなかった。

それって本当にあなたのせい?

「最高の一日が一生続く106の習慣」がつづられたベストセラー『人生は「気分」が10割』に書かれたトピック、「安全圏から石を投げてくる人にはかまうな」では、誹謗中傷を繰り返す人についてこう書かれている。

 ただ何かが気に障るとか目障りだって程度で、そいつの勝手な妄想と解釈がベースになっているだけ。
 感情をぶつけられる側としてはいい迷惑でしかない。
――『人生は「気分」が10割 最高の一日が一生続く106の習慣』より

 何度も罵詈雑言を浴びせられると、「本当に自分が悪いんじゃないかと思い込むように」(同書)なってしまうが、キム・ダスル氏はこう断じてくれる。

「違うから。それはこちらのせいじゃない」
 何も悪くない人に対して、嫌悪感をむき出しにしてくる人間っていうのは、もうそいつ自身の問題だ。
――『人生は「気分」が10割 最高の一日が一生続く106の習慣』より

 一方で、自分自身だって、“そっち側”に転じる可能性は否めない。

 自戒を込めて、肝に銘じたい。

(本稿は、『人生は「気分」が10割 最高の一日が一生続く106の習慣』の発売を記念したオリジナル記事です)

有山千春(ありやま・ちはる)
メーカー広報、出版社編集者を経て2012年よりフリーライターに。主に週刊誌やWEBメディアで取材記事やインタビュー記事を執筆。昨年より高田馬場の老舗バーにてお手伝い中。