「自力整体」とは、整体や鍼灸の技法を自分自身におこなう人気のセルフケアメソッドです。現在、全国で約1万5000人が実践中。
「ぐっすり眠れた!」「慢性痛から解放された!」「健康的にダイエットできた!」――そんな喜びの声が続々と届いています。
このたび発売された新刊『すっきり自力整体』では、老廃物をすっきり流し、痛みや不調を根本からリセットする方法を紹介。
著者の矢上真理恵さんは、「不調のほとんどは自力整体で“めぐり”を整えることで改善できる」と語ります。
自身も、自力整体で体調を立て直し、40代目前で自然妊娠・安産を経験したひとりです。
本稿では、その新刊から、めぐりを整え眠りの質を改善するワークを抜粋してお届けします。
監修:矢上 裕(矢上予防医学研究所所長/自力整体考案者/鍼灸師・整体治療家)
写真:榊智朗 構成:依田則子

夜中に目が覚めるのは「めぐりの悪さ」のサインかも
最近、夜中に何度も目が覚めてしまう。熟睡できない。疲れが抜けない。肩や腰が重だるい。便秘気味……。
そんな「なんとなく不調」を抱えたまま、見て見ぬふりをしていませんか?
東洋医学には「不通即痛(ふつうそくつう)」という言葉があります。
“流れが滞ると、そこに痛みや不調が現れる”という意味です。
血液・リンパ・体液・気――これらの流れが滞ると、体のあちこちにモヤモヤとした不快感がたまり、不眠や倦怠感を引き起こします。
その原因は、運動不足や悪い姿勢、ストレス、冷え、食べすぎなど。
日々の小さな習慣の積み重ねによって、体の内側に老廃物がたまり、コリ・痛み・不眠・疲労感・気力低下を招いてしまうのです。
忙しい人でもすぐにできるセルフ経絡治療
そんなときに役立つのが、東洋医学の「経絡(けいらく)治療」。
鍼灸(しんきゅう)や指圧などがその代表です。経絡とは体中をめぐる気血の通り道です(図は後半で紹介)。
自力整体は、この経絡治療の理論をベースに、「自分の手と体を使って経絡やツボを刺激」し、老廃物の滞りを解消していくメソッド。
とくに体が冷えやすい秋冬は、経絡の流れが滞りやすく、老廃物をためこみやすくなります。
結果、眠りの質も悪化しやすくなるのです。
そこで今回は、新刊『すっきり自力整体』から、忙しい人でもすぐにできるセルフ経絡治療――老廃物を流し熟睡を促す「心を整えるツボ刺激」のワークを紹介しましょう。
手や腕に多く集まる経絡やツボを刺激するだけで、全身のめぐりは驚くほど良くなります。
朝までに熟睡!「心を整えるツボ刺激」のワーク
画像を見ながらおこないましょう(※画像は書籍『すっきり自力整体』より抜粋)。



◎「心を整えるツボ刺激」のワーク
【手順1】
◆深呼吸をしながら左腕の「内関(ないかん)」のツボを指圧
内関(心包経):手首から指3本ほど離れた場所にある腱と腱の間のくぼみ
POINT:指圧されているほうの手をゆすると刺激が深まる
【手順2】
◆深呼吸をしながら左手の中指をぐーっと反らす
【手順3】
◆深呼吸しながら左手すべての「井穴(せいけつ)」のツボを刺激
手指の井穴:爪の付け根の脇(画像参照)。親指から肺経、大腸経、心包経、三焦経。小指は心経と小腸経が通る
POINT:指圧するとき右手の親指の腹と、人差し指の骨ではさむ。指圧されているほうの手をゆすると刺激が深まる
【手順4】
◆反対側も同様におこなう
※硬い側は長めにおこなう
時間に余裕のある方は、書籍『すっきり自力整体』で紹介している動画でわかる「20分ショートレッスン」も役立ちます。
※『すっきり自力整体』では、このほかにも整体プロの技法を応用したデトックスメソッドを多数掲載。老廃物の排出、コリや痛みの緩和、不定愁訴やゆがみの解消まで、自分でできる整体の実践法を紹介しています(★54分の動画付き)。
矢上予防医学研究所代表取締役
1984年、兵庫県生まれ。高校卒業後単身渡米、芸術大学プラット・インスティテュートで衣装デザインを学び、ニューヨークにて独立。成功を夢見て、徹夜は当たり前、寝るのはソファの上といった多忙な生活を続けた結果、心身のバランスをくずし動けなくなる。そのとき、父・矢上裕が考案し約1万5000名が実践している「自力整体」を本格的に学び、心身の健康を取り戻し、その魅力を再発見。その後、自力整体ナビゲーターとして、カナダ、ヨーロッパ各地、イスラエルにて、クラスとワークショップを開催。さらに英国の名門セントラル・セント・マーチンズ大学院で「身体」をより体系的に学び、2019年に帰国。現在、国内外の人たちに自力整体を伝えながら、女性のための予防医学をライフワークにしている。著書に、『すごい自力整体』『すぐできる自力整体』(ダイヤモンド社)がある。
自力整体オフィシャルウェブサイト
https://www.jirikiseitai.jp/
監修者:矢上 裕(やがみ・ゆう)
矢上予防医学研究所設立者、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
1953年、鹿児島県生まれ。関西学院大学在学中の2年生のとき、予防医学の重要性に目覚め、東洋医学を学ぶため大学を中退。鍼灸師・整体治療家として活躍するかたわら、効果の高い施術を自分でできるように研究・改良を重ね「自力整体」を完成。兵庫県西宮市で教室を開講、書籍の出版やメディア出演などで注目され、全国から不調を抱える人々が続々と訪れるようになる。現在約400名の指導者のもと、約1万5000名が学んでいる。著書に『自力整体の真髄』『はじめての自力整体』『100歳でも痛くない 痛みが消える自力整体』(ともに新星出版社)など多数。自力整体の書籍は累計32冊、総発行部数は77万部を超える。遠隔地の人のために、オンライン授業と通信教育もおこなう。
※自力整体は矢上裕の登録商標です。






