「緊急性」の有無で
要素は見分ける

集中力を失う6つのきっかけ同書より転載 拡大画像表示

 緊急度が低い要素のなかにも、重要性の高いものはある。たとえば、来週仕上げなくてはならない大きな課題もある。ある状況に緊急性があるかどうかをわけるのは、重要性の大小ではなく、いまただちに行動する必要があるかどうかだ。

 ここに挙げたような要素は、あくまでも最初のきっかけにすぎない。それが強力なメカニズムの引き金を引いて、私たちは『不思議の国のアリス』のアリスがウサギの巣穴に深く入り込んでしまったように、どんどん脇道にそれていく。

 最初の段階では、そのウサギの巣穴がどれくらい深いかはまったくわからない。すぐに行き止まりにぶつかり、1分か2分で戻ってこられる場合もあるだろう。しかし、興味をそそられてどこかの角を曲がると、また新たに面白そうなものが待っていて、気がついたときには数時間の時間が溶けていることもある。

 この表を手がかりに、自分の集中力を奪う要素が出現したときにすぐに認識できるようにしよう。注意を払えば、そうした要素に気づきやすくなる。

 また、デジタル機器、周囲の物理的環境、そして自分の脳内というすべての領域で、そのような要素と遭遇する可能性があることを頭に入れておこう。

 課題に対する集中力を奪われることは、誰にとっても日常茶飯事なのだ。

 表に挙げた例は、読者が現実味を感じ、身に覚えがあると思ってもらえるように選んだものだが、6つのカテゴリーのそれぞれについて自分で独自の例を思いつければ、効果はより大きくなる。この表を活用して、さまざまな要素に対して、これまでよりも適切な反応ができるようにしよう。