集中力を奪う「SNSやYouTubeの沼」から抜け出す方法Photo: Adobe Stock

集中力が落ちた。
あの頃は、もっと没頭できたのに――

私たちは今、スマホやPCに1日平均11時間を費やしていたり、リモートワークによる働き方の変化に追われていたりします。
「人のパフォーマンスを可視化するメガネ型デバイス JINS MEME」「世界で一番集中できる空間 Think Lab」などを手掛けてきた井上一鷹氏の著書『深い集中を取り戻せ』では、集中のプロとして、「これからどのように働けばいいのか」「どうやってパフォーマンスをあげるのか」を語ります。
脳科学的に、「やらされ仕事は4ヵ月しか続かないけれど、やりたいことは4年続く」と言われます。あなたが、夢中で何かに没頭できた体験。やらされ仕事ではなく、自らやってみようと思えたこと。何が原因かわからないけど、いつの間にか、『深い集中』が失われたすべての人へ、ノウハウをお伝えします。

パソコンを開きたくなる欲望

 私が気をつけていることは、月曜の朝は、「できるだけパソコンを開かない」という方法です。

 特に、アイデア系の思考をしたいときには、いきなりパソコンを開かないようにしましょう。

 なぜなら、パソコンを開いてまず人がすることは、決まって「受動的な行為」だからです。

「メールをチェックする」「調べ物をする」などの行為はほとんどが受動的で、気づいたらネットサーフィンやSNSのチェックが止まらなくなっています。

 それを意志の力で我慢するのは、とても非効率なことなので、「初めからパソコンを開かない」というのが、最適な方法なのです。

 その後、本格的に1週間が始まると、周囲の人の動きに流されざるを得なくなります。

 だから、自分でコントロールできる「1週間の最初の時間」くらいは、ネットから切り離された時間を過ごすようにしています。

最初の「23分」が大事

 人の脳は、「深い集中」に入るまでに約23分かかります。

 その23分は、メールやコミュニケーションチャット、オフィスでのちょっとした雑談によって、あっという間に遮られます。

 仕事が多ければ多いほど、相手からのコミュニケーションを求められるため、結局、1日で一度も「深い集中」に入れないままその日を終えることもあるでしょう。

 我々がスマホやパソコンを見ている時間は、20~50代の平均で1日「11時間以上」にも及ぶというデータがあります。

 リモートワークになれば、それがさらにエスカレートします。

「オフィスにいないぶん、いつも以上にコミュニケーションチャットやメールから目を離さないようにしないと……」

 と思っている人も多いのではないでしょうか。

 深い集中に入るためには、デジタル機器から強制的に離れる行為、「デジタルデトックス」の時間を設けることが必要不可欠です。

 たとえば、作業をする前には、パソコンのWi-Fiを切るようにします。

 そして、その時間内で仕事の骨子を固めたりします。

 もし、調べたいことや人に聞きたいことが出てきても、その場ではリストにまとめておくだけにします。後で「単純作業」の時間帯に一気に調べるようにします。

 また、おすすめなのが、1日の中で「メールやチャットを何回、確認したか」を数えておくことです。

 上限回数を設けるのもよいですが、まずは回数を見える化してみてください。

「20回以上もチェックしていたのか」
「そのうち2件しか大事なメールは来ていなかった」

 など、見える化するだけでも、これまで必要以上に確認していたことがわかるでしょう。すると、おのずとチェックする回数は減っていきます。

 こうしてネットから切り離されることで、あなた自身の思考は形成されますし、自分のための時間へとリソースが向かっていきます。

 この点は、在宅勤務になったことで、特に意識的に取り組まなければいけなくなりました。

 なぜなら、「連絡が来ていたらすぐに返さなければ……」という不安に取り憑かれたり、心理的安全性が損なわれたりしているからです。

 いつでも反応できるように構えていると、自分の時間がどんどんなくなっていきます。

 この問題はとても根深いので、ぜひ本書をお読みください。