仕事中に迷子になりがちなビジネスパーソン写真はイメージです Photo:PIXTA

ハーバード経営大学院の機関誌で、筆者は時間管理術「タイムボクシング(timeboxing)」を提唱して注目を浴びた。彼によれば、その日のスケジュール表に、実行すべき作業とその開始・終了時刻を指定したタイムボックスを記入し、それを厳密に守ることで、限られた時間を生産的に使えるのだという。だが、やるべき仕事が目の前にあるのに、どうでもいいことについつい気を奪われて時間を浪費してしまう経験は誰しもあるはず。仕事中に迷子になりがちなビジネスパーソンに、筆者はどう答えるのか。※本稿は、マーク・ザオ・サンダーズ『世界のエリートが実践している超生産的時間術 「タイムボクシング」で時間あたりの成果を倍増させる』(朝日新聞出版)の一部を抜粋・編集したものです。

気が散ってしまう
6つの要因

 課題を実行するためにタイムボックスを作成し、設定したタイムボックスの時間どおりに課題に取りかかったのに、なんらかの出来事により突然、タイムボックスの外へ連れ出されてしまう――どのようなときに、そうしたことが起きるのか。

 自分が集中力を失うきっかけについて検討する際は、その要素が出現する経路(自分の脳内、デジタル機器、周囲の物理的環境)と、その状況の緊急度の2つを基準に考えることが有効に思える。「経路」を検討することにより、その要素の性格と発生源を把握できる。

 一方、「緊急度」を検討することにより、適切な対応を取りやすくなる。この枠組みに基づいて考えると、たとえば次ページのような表が出来上がる。