じわじわ心を蝕んでいく「感情労働」とは何か。
次々と新たなビジネスを仕掛ける稀代の起業家、佐藤航陽氏。「これからどう生きるか?」を徹底的に考察した超・期待作『ゆるストイック』を上梓した。これからの生き方として重要なキーワードは、「ストイック」と「ゆるさ」。令和のヒーローたち(大谷翔平、井上尚弥、藤井聡太…)は、なぜストイックに自分に向き合い続けるのか。『ゆるストイック』では、「どのように日常を過ごしていくべきか」を言語化し、誰でもできるプロセスとしてみなさんに共有する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)
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「感情労働社会」を生き抜くヒント
現代社会では、あらゆる仕事や人間関係において「感情労働」が求められています。
笑顔を見せる、相手に安心感を与える、ネガティブな感情を抑える。
こうした働き方は避けられません。
しかし、感情労働に過度に飲み込まれると、心身をすり減らしてしまいます。
本記事では「感情労働社会」を生き抜くためのヒントを整理します。
感情を「演じる」視点を持つ
感情労働の本質は、「役割として感情を表現すること」です。
ここで重要なのは、「演じている」という視点です。
本当の自分と役割上の自分を切り分けることで、感情を無理に一致させる必要がなくなり、負担が軽減されます。
回復の仕組みを持つ
感情労働を続けるには、回復のプロセスが不可欠です。
業務後に一人の時間を持つ、趣味に没頭する、体を動かすなど、自分の感情を取り戻す仕組みをあらかじめ設けておくことが必要です。
リセットの習慣が、長期的な持続力を支えます。
境界線を意識する
「顧客のため」「組織のため」と考えるあまり、限界を超えて感情を抑えてしまうことがあります。
そこで大切なのは、自分と他人との境界線を明確にすることです。
「ここから先は相手の問題」と切り分けることで、感情労働に飲み込まれずにすみます。
「感情労働社会」においては、誰もがある程度の感情管理を求められます。
しかし、役割として演じる視点を持ち、回復の仕組みを備え、境界線を意識することで、感情に消耗しすぎずに生きられます。
過剰に背負い込まず、淡々と積み重ねる姿勢。これこそが「ゆるストイック」の実践です。
私たちもまた、感情労働社会を賢く生き抜き、ゆるストイックに生きましょう。
株式会社スペースデータ 代表取締役社長
1986年、福島県生まれ。早稲田大学在学中の2007年にIT企業を設立し、代表取締役に就任。ビッグデータ解析やオンライン決済の事業を立ち上げ、世界8ヵ国に展開する。2015年に20代で東証マザーズに上場。その後、2017年に宇宙開発を目的に株式会社スペースデータを創業。コロナ禍前にSNSから姿を消し、仮想現実と宇宙開発の専門家になる。今は、宇宙ステーションやロボット開発に携わり、JAXAや国連と協働している。米経済誌「Forbes」の30歳未満のアジアを代表する30人(Forbes 30 Under 30 Asia)に選出される。最新刊『ゆるストイック』(ダイヤモンド社)は8.5万部を突破した。
また、新しくYouTubeチャンネル「佐藤航陽の宇宙会議」https://youtube.com/@ka2aki86をスタートさせた。








