どうしても「愚痴」を言いたくなったとき、自分に何を言い聞かせればいいのか。
次々と新たなビジネスを仕掛ける稀代の起業家、佐藤航陽氏。「これからどう生きるか?」を徹底的に考察した超・期待作『ゆるストイック』を上梓した。これからの生き方として重要なキーワードは、「ストイック」と「ゆるさ」。令和のヒーローたち(大谷翔平、井上尚弥、藤井聡太…)は、なぜストイックに自分に向き合い続けるのか。『ゆるストイック』では、「どのように日常を過ごしていくべきか」を言語化し、誰でもできるプロセスとしてみなさんに共有する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

どうしても「愚痴」を言いたくなったとき、自分に何を言い聞かせればいいのか?Photo: Adobe Stock

愚痴を「建設的な対話」に変える

 愚痴を言うこと自体は悪いことではありません。
 気持ちを吐き出すことで一時的に心が軽くなる効果もあります。

 しかし、愚痴ばかりを繰り返すと、状況は改善されず、周囲との関係も悪化します。
 重要なのは、愚痴を「建設的な対話」に変える工夫です

「愚痴の役割」を理解する

 愚痴は、「自分が何に不満を感じているのか」を知る手がかりになります。
 言葉にすることで、不満が整理され、問題の所在が明確になります。

 ただし、そこで終わってしまうと自己満足にとどまり、前進の力にはなりません。

 愚痴を言ったあとに、「なぜ自分はこの点に不満を感じるのか」と問い直すと、不満の根本原因が見えてきます

 原因を明確にすることで、解決につながる具体的なアクションを考えられるようになります。
 愚痴を単なる発散で終わらせず、改善への入り口にするのです。

「対話」に変える工夫

 愚痴を建設的な対話に変えるには、表現の仕方を工夫します。

「あの人が悪い」ではなく「こう改善できれば仕事が進めやすい」と言い換える。
 これにより、相手を攻撃せずに協力を得やすくなります。

 愚痴を改善や提案に変えることが、環境を前向きに動かす方法です。
 愚痴は不満を吐き出すだけで終わらせず、分析し、建設的な対話につなげることで意味を持ちます。

 愚痴を改善のきっかけに変える姿勢。これが「ゆるストイック」の実践です。
 私たちもまた、愚痴を前進のための対話に変え、ゆるストイックに生きましょう。

佐藤航陽(さとう・かつあき)
株式会社スペースデータ 代表取締役社長
1986年、福島県生まれ。早稲田大学在学中の2007年にIT企業を設立し、代表取締役に就任。ビッグデータ解析やオンライン決済の事業を立ち上げ、世界8ヵ国に展開する。2015年に20代で東証マザーズに上場。その後、2017年に宇宙開発を目的に株式会社スペースデータを創業。コロナ禍前にSNSから姿を消し、仮想現実と宇宙開発の専門家になる。今は、宇宙ステーションやロボット開発に携わり、JAXAや国連と協働している。米経済誌「Forbes」の30歳未満のアジアを代表する30人(Forbes 30 Under 30 Asia)に選出される。最新刊『ゆるストイック』(ダイヤモンド社)は8.5万部を突破した。
また、新しくYouTubeチャンネル「佐藤航陽の宇宙会議」https://youtube.com/@ka2aki86をスタートさせた。