中国は経済を徐々にむしばむ問題に苦しんでいる。利益を破壊し、労働者の過当競争を引き起こし、デフレスパイラルを加速させるような、し烈な競争のサイクルに陥っているのだ。これが「内巻(インボリューション)」だ。かつては難解な専門用語だったが、今や多くの中国人の生活を定義し、世界2位の経済大国が抱える最大の問題を表す言葉となっている。内巻とは、簡単に言えば、中国が人工知能(AI)や再生可能エネルギー、ロボット工学といった未来の産業で世界の覇権を目指している一方で、国内経済の大部分は底辺への競争に陥っており、それが悪化すると広範囲に停滞を招きかねないということだ。