あなたは、文末を「です」「ます」にしないでメールを書いたことはありますか?
「言葉と音」の関係をひもといた作家&作詞家・高橋久美子さんの『いい音がする文章』から、小学校の国語で習った「原則」とその破り方について書かれた部分を紹介します。(構成/ダイヤモンド社 今野良介)
小学校のころ
国語の先生が「文章のリズムを決めるのは語尾です」と言ったのをよくよく覚えている。
語尾を「です。ます。」にするか、「た。だ。」にするか統一しましょうと教えてくれた。
「た。だ。」で揃える場合も、語尾を「た。」だけにしてしまうと、一本調子でリズムが良くない。
だから、
「~だった。~だったからだ。~笑っている。~真っ赤な魚。~かもしれない。~だったのだから」
のように、時に体言止めや倒置法を駆使しながら、語尾に小さな波をいっぱい立たせましょう、と言うのだ。
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なるほど、読んでいても飽きないと思った。
あの日から、毎日の日記も、最後には語尾をチェックして、さらに朗読する癖もはじまった。
先生の教えてくれた、「小さな波をいっぱい立たせる」作戦を、私は30年以上ずっと守ってきた。
ただ、「た。だ。」か「です。ます。」で揃えるっていうんはなくても良くない? と思って、作家になってからその法則を破ったら、独自のリズムになった感じがします。
先生、ごめんなさい。




