作文では先に名前を書くのに
作者が明示されない。誰が作ったのかが重要視されない。そのことは、根拠や出典が明示されないままアウトプットだけが独り歩きする生成AIの隆盛と、どこかつながっている気もする。
もっと卑近な例でいえば、ヤフーニュースだ。
ヤフーニュースに掲載される記事の大半は、他のウェブメディアや新聞や雑誌などからの転載だ。ただ、転載元ウェブメディアでは書き手の名前が記事タイトルに添えて文頭に表示されていたとしても、ヤフーニュース上では文末にしか表示されない。つまり、すべてを読み終わらなければ、その文章を書いたのが誰かを知ることができない。
よくよく考えたら、おかしなことだ。学校の作文では名前を最初に書かされる。自己紹介にしろスピーチにしろ、名前は最初に名乗るのが礼儀。これから発表する内容の責任の所在は「先に」明らかにしておくのが常識だ。
しかし、ヤフーニュースは必ずしもそうなっていない。そうなっていない仕様に現代人は慣れた。いま観ている映画の監督が誰かなど、気にしなくて当然だ。
これもよく知られたことだが、大半のネットニュースは最後まで読まれない。最初の小見出しブロックだけでも読んでくれればまだマシで、記事タイトルやリード(前文)だけ一瞥(いちべつ)して終わりという人も多い。書き手の名前まで到達しないのだ。
ライターとしては、なんだかなという思いでいっぱいだが、本コラムも当世の流儀に従い、文中に登場したおもな作品の監督名を「文末に」列記することで筆をおこう。
『劇場版 鬼滅の刃 無限城編 第一章』
監督:外崎春雄、総監督:近藤光
『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』
監督:外崎春雄
『名探偵コナン 隻眼の残像』
監督:重原克也
『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』
監督:クリストファー・マッカリー
『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』『同PART2』
監督:デヴィッド・イェーツ
『アナと雪の女王』
監督:クリス・バック、ジェニファー・リー
監督:外崎春雄、総監督:近藤光
『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』
監督:外崎春雄
『名探偵コナン 隻眼の残像』
監督:重原克也
『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』
監督:クリストファー・マッカリー
『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』『同PART2』
監督:デヴィッド・イェーツ
『アナと雪の女王』
監督:クリス・バック、ジェニファー・リー







