また、そのような状況の1人っ子同士が結婚した場合、将来的に夫婦で双方の実家や親戚のお墓を複数管理することになり、その負担は非常に大きなものになります。そのため、子どもに負担をかけたくないと墓じまいを選択する人たちが増えているのです。
そして、かつては当たり前だった「お墓を一族で代々承継する」という慣習も、核家族の増加や、自分が住みたい場所に自由に移り住む人が増えたことで途絶えつつあります。
都市部に人口が集中することで地方では過疎化が深刻化し、その影響で、故郷にあるお墓を定期的に管理・維持することが難しくなってきました。
手入れされないまま
放置される「無縁墓」
国立社会保障・人口問題研究所の「第9回人口移動調査」(2023年)によると、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県では、人口の4~5割が、実家がある以外の地域や海外から移り住んできた「流入層」です。例えば東京都の人口、約1442万人のうち、4割が日本国内の地域から移り住んだ流入層だと仮定すると、その人数はおよそ580万人にのぼります。同様の傾向は、大阪府、愛知県、福岡県など、ほかの大都市圏でも見られ、多くの人が将来的に「実家のお墓問題」に直面することが予想されます。
このような影響から、墓じまいを検討する理由として、「遠方で管理が大変」「跡継ぎがいない」「子どもに負担をかけたくない」などが上位に挙げられています。
墓じまいが増えている一方で、お墓が放置されるケースも増加しています。これらは、長年にわたり墓参りが行われた形跡がなく、管理料が滞納され、墓地の契約者とも連絡が取れない状態のお墓で、「無縁墓」と呼ばれています。近年、この無縁墓が原因で、土地が荒れてしまったり、不法投棄が増えたりと、さまざまな問題が発生しています。
(1)公営墓地にある無縁墓の撤去費用は税金で賄うことになる
墓石などの構造物は、原則として持ち主の財産にあたるうえに、撤去には相応の手間と費用がかかります。そのため、第三者が勝手に処分することが難しいこともあります。実際に、所有者が不明になってから1年、長ければ10年近くの待機期間を経てから撤去を行う自治体もあり、その間は管理費が入ってこないのはもちろんのこと、無縁墓の撤去を公営墓地が行う際は、当然その費用は税金で賄われることになります。







