保育現場での性暴力に対する社会的認識はまだ十分とはいえませんが、このようなケースは決して珍しくありません。児童養護施設など、親と暮らせない多数の子どもたちが共同で生活する場所での子ども間の性暴力は、施設の職員にとっても大きな課題となっています。
『夫が痴漢で逮捕されました 性犯罪と「加害者家族」』(斉藤章佳、朝日新聞出版)
子ども同士の間で起こる性暴力件数を示す全国的な統計はありません。
同じ小学校に通う児童が被害者になったことが表面化するケースも相次いでいて、2024年5月には神奈川県の小学校で、2年生の女子が上級生の男子から下半身を触られる事案が発生しています。北海道の小学校でも2025年1月、6年生の女子が同級生に下着を盗まれるなどの被害を受けています。
この問題への対応において重要なのは、加害側・被害側双方の子どもたちへの適切な支援介入です。
すでに述べたように、警察が介入するような刑事事件とはならないケースがほとんどだからこそ、弁護士や児童相談所など専門家を交えた丁寧な対応が必要となるのです。







