不足すると「高血圧・細胞の老化・動脈硬化」を招く栄養素、2秒でわかる簡単チェックテストとは?写真はイメージです Photo:PIXTA

口内炎ができるのはビタミンB2が足りない証しであることはよく知られているが、そのように栄養素が不足すれば体はさまざまなサインを発する。中でも現代人の食生活の乱れで不足しやすい「ある栄養素」は、欠乏すると生活習慣病を誘発するという。簡単にチェックできる方法や不足分の補い方、ほかにも足りない栄養素を見極める方法を専門家に取材した。(ノンフィクション作家・ジャーナリスト 笹井恵里子 監修/東邦大学名誉教授 東丸貴信)

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加齢に伴って味覚が変化
濃い味付けになっている危険

 自分では「若い頃と同じものを食べている」と思っていても、そうではない可能性がある。

 40代から味を感じる味蕾(みらい)細胞が減少するため、「加齢に伴って味覚が変化し、濃い味付けになっている人が少なくない」と、管理栄養士の堀知佐子氏(老舗料亭「菊乃井」常務取締役)が指摘する。

「人間の体液の濃度は約0.9%の食塩水に相当しますから、本来0.9%の塩分濃度が『おいしい』と感じるはずなんです。ところが、加工品など1%以上の塩分濃度のものばかり食べていると、『おいしい』と感じる基準値がどんどんずれていきます。塩分、油分、うまみは濃いほどに依存しやすく、濃いのがやめられなくなるんです」

亜鉛が不足すると
濃い味を好みやすくなる

 ミネラルのひとつ、「亜鉛」が不足することでも濃い味を好みやすくなるという。亜鉛はたんぱく質の合成や細胞の新陳代謝を促進する酵素の必須成分でもある。管理栄養士の望月理恵子氏がこう説明する。

「年齢とともに味蕾細胞は減るものの、急激に濃い味付けを好む場合は、原因のひとつに亜鉛不足によって味蕾細胞の再生(生成)が追いついていない可能性が考えられます」

 そこで自分の味覚が正しいかどうかを確かめたい。