夜中、目覚めてしまう人はやってみて。朝まで熟睡できる「飲みもの」3選写真はイメージです Photo:PIXTA

なかなか寝つけない、途中で目が覚めてしまう、翌朝にスッキリした感じがしない……男女ともに40代くらいからホルモンバランスの乱れも影響し、「睡眠」に悩む人が少なくない。そんな人にお勧めの飲みものをジャーナリストの笹井恵里子さんが取材した。どれも今日から試せる手軽なものだ。(ノンフィクション作家・ジャーナリスト 笹井恵里子)

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たった1杯で
「寝つきが早くなる」飲みものとは?

「熟睡できる飲みもの」というと、就寝前にホットミルクやハーブティを飲むと考える人が多いのではないだろうか。結論からいうと、違う。今回の「3選」では、もっと科学的な栄養学の視点から挙げてみた。

 まずひとつ目は、「白湯」である。

 管理栄養士の望月理恵子氏が解説する。

「人は深部体温が下がるときに眠りがくるのですが、そのときには皮膚や手足の体温が上がります。この皮膚温の上昇が早いほど“寝つきが早い”ことが知られているのです。白湯は血行を良くして手足の温度を上げるので、睡眠の質を上げると考えられます」

 温浴やショウガ入り食品の効果を確かめる実験ではあるが、白湯を飲んで20分後には、サーモグラフィーで手が温まっていることが確認されている。

「ですから就寝30分前くらいに、コップ1杯弱程度の白湯を飲むと良いでしょう」(望月氏)

血行促進にも作用して
リラックスできる

 だが「寝つきが良い」ことが「熟睡」にはつながらないのではないかと疑問に思う人もいるかもしれない。「睡眠の質」にはさまざまな指標があるが、「寝つきが遅いのは入眠障害という睡眠障害のひとつ」と、望月氏が続ける。

「そのため寝つきを早くすることも睡眠の質を高めることになります。また入眠直後の最も深いノンレム睡眠のときに成長ホルモンの分泌量が高く、細胞修復や代謝促進に影響します。ですからスムーズに入眠できることは、翌朝のスッキリ感にもつながるでしょう。余談ですが、文献の中には白湯を飲んで眠気が増し、作業効率が落ちたというものもありました(笑)」

 温かい飲みもの自体が体温を上げ、血行促進にも作用し、リラックスの副交感神経を優位にするという。