加工食品やインスタント食品の
添加物が亜鉛を体外に排出してしまう
管理栄養士の岸村康代氏は「加工食品やインスタント食品を多く取っている人も要注意」と強調する。
「それらの食品には亜鉛が少ない上、ポリリン酸ナトリウムやリン酸塩など亜鉛を体外へ排出する作用のある添加物が含まれています。私が講師を務めていた専門学校で味覚調査をすると、“味を感じない”という学生が多かったです。栄養バランスが悪い人は特に注意しましょう」
もちろん亜鉛の「摂取不足」にも陥らないようにしたい。
亜鉛がもっとも豊富に含まれる食材は――牡蠣(かき)だ。生牡蠣なら小さめ5粒50グラム(7ミリグラム)で、成人女性の摂取推奨量(8ミリグラム)のほとんどをまかなえる。ほかに豚レバー(70グラムで4.8ミリグラム)や牛の赤身肉(100グラムで4.5ミリグラム)、鶏のレバー(同量で3.3ミリグラム)などに多く含まれる。
といってもこれらを毎日食べることは難しい。また前述したように亜鉛は摂取しても添加物などで排出されることがあるし、摂取量の約20~40%程度しか吸収されないともいわれる(しかも年とともに消化能力が衰える……)。
白米、卵、粉チーズ…
「コツコツ摂取」のススメ
そこで岸村氏は「コツコツ摂取」を勧める。
「白米にも茶わん1杯で0.9ミリグラムの亜鉛が含まれますし、また卵の黄身や納豆にも白米と同程度の亜鉛が含まれるので、卵かけごはんもいいでしょう。粉チーズ大さじ1杯で約0.4ミリグラムの亜鉛が取れるので、さまざまな料理にふりかけてプラスしましょう。不足しがちなカルシウムも一緒に補えます」
特にこの時期、皮膚や髪の毛の状態が気になる人は亜鉛を意識して摂取してほしいと、岸村氏が続ける。
「皮膚のカサカサや抜け毛が気になるときにも食生活を見直してほしいです。アトピー性皮膚炎の方が亜鉛を補うことで改善するケースもあります。ほかにも体内に入り込んだ異物、ウイルスと戦うために必要な免疫細胞の働きにも関係します。そのため不足すると免疫機能障害が起きたり、皮膚が荒れてしまうことがあるのです」
さて【急に味覚が変わった】ら、その陰に亜鉛不足があるかもしれないと述べた。
ほかにも、【症状】から栄養素の不足がわかるのだろうか?







