抗RANKL抗体(薬物名:デノスマブ)という薬もあります。

 2010年代に開発されたこの薬には骨吸収抑制の効果があるのですが、皮下注射を6カ月に1回おこなうという特徴があります。

 また、2019年にはロモソズマブという薬も開発されました。これは骨吸収抑制と骨形成促進、両方の作用を持つ薬です。骨密度の改善が非常に早く、高リスク患者の初期治療に有効と考えられています。

 かつて、骨粗しょう症は「治らない病気」と思われていた時代もありました。年齢とともに静かに進行していき、骨折したときに初めて気づく病気だったからです。

 しかし、骨密度を測定する方法が一般化され、治療薬が進歩した90年代以降は、コントロールできる病気に変わっています。骨折リスクを下げるためにも、骨密度を測ったことがない人は、一度測ってみてください。

 骨粗しょう症は、早期に発見できれば、多くの選択肢のなかからあなたに合った治療法を選択することができます。それぞれに合った薬があると思いますので、主治医に相談してみてください。