戦前から続く5位と4位、戦後に創部した3位
それではいよいよベスト5に入ろう。
【第5位 龍谷大平安高(京都府):65人】
戦前には平安中、昭和には平安高として活躍した同校は、龍谷大平安高と改称してからも2014年選抜で優勝するなど、戦前から現在まで一定の人数をプロに輩出し続けている。今年も候補はいたものの、指名はされなかった。古くは衣笠祥雄(広島)、現役では昨年1巡目指名の西川史礁(ロッテ)らがOB。
【第4位 広陵高(広島県):73人+今年1人指名】
第4位は広陵高。同校もやはり戦前からの名門だが、プロ入りに関しては平成以降の方が勢いがある。21世紀以降だけで8人がドラフト1巡目で指名されるなど、監督を務めた中井哲之氏の育成力には定評があったが、今夏の甲子園は不祥事で2回戦で出場辞退、中井氏も監督を辞任した。
OBは広島が多く、現役では上原健太(日本ハム)や昨年1巡目指名の宗山塁(楽天)など。今年は立正大の林燦(はやし・きら)投手が、巨人育成2巡目で指名された。
【第3位 横浜高(神奈川県):79人+今年1人指名】
横浜高は戦後に創部した学校で、当然プロ入りしたのもすべて戦後。しかもその大半は渡辺元智・元監督が育てた選手で、渡辺氏はおそらく日本で最も多くのプロ野球選手を育てた監督であろう。教え子には、愛甲猛(ロッテ他)、松坂大輔(西武他)など、高校野球史に名を残す選手も多い。
渡辺氏の監督辞任後は監督や部長の交代が続き、動向が注目されていたが、その後も今年の選抜で優勝するなど、その地位を守っている。ドラフトでも着実に指名選手が出続けており、今年はエースの奥村頼人がロッテから3巡目で指名された。入団すれば2位とは2人差となり、いよいよ射程圏内。
2位は2016年以降休部中のPL学園高
【第2位 PL学園高(大阪府):82人】
第2位は1980年代から90年代にかけて黄金時代を築いたPL学園高。PL学園高の創立は1955年で、野球部創設はその翌年。最後の年である2016年までの61年間に、82人ものプロ野球選手を輩出している。これは、毎年平均1.3人がプロ入りしているという極めて高い率だ。実際、1980年代頃には1つの学年から数人がプロ入りするのも珍しくなかった。
しかも、ただ人数が多いだけではなく、清原和博(西武他)・桑田真澄(巨人他)をはじめ、木戸克彦(阪神)、小早川毅彦(広島他)、立浪和義(中日)など多くの名選手をプロに供給してきたことで知られる。現役では去就が注目されている大リーグ・タイガースの前田健太がOBだ。
平成期にプロ入り人数トップとなって以来1位を続けていたが、一昨年、ついにトップから陥落した。というのも、2013年秋に専任監督が不在となり、2016年夏の府大会出場を最後に休部してしまったからだ。プロ入りしたのも、2018年のドラフトで東洋大の中川圭太選手がオリックスに指名されたのが最後で、来年以降のドラフト候補にも同校のOBは見当たらない。
PL野球部復活の可能性は、最近の動向を見る限り低そうだ。3位横浜高、4位広陵高の猛追もあり、2位の座も危うい。







