いま成人の3人に1人かかっている脂肪肝! 専門医として40年以上肝臓を治療する医師が提案する解決法が、『肝臓専門医が教える脂肪肝が気になる人の魔法のスープ』(ダイヤモンド社)。脂肪肝に自覚症状はないものの、ダイエットや筋トレの効果が下がったり、疲れがとれない原因に。でも大丈夫! 肝臓は再生能力が非常に高いので、肝臓の脂肪を落とし、代謝、解毒、免疫をパワーアップすることで、さまざまな症状を遠ざけて、なりたい体を実現します。

「糖質ゼロ」で逆に太るのはなぜ!? ダイエットで陥りがちな“NG習慣”とは?Photo: Adobe Stock

ダイエットがうまくいく突破口!

 カロリー計算をして食事量を減らしているのになかなかやせないとか、いろいろなダイエット法を試しているけれど効果が出ないという人は、脂肪肝の疑いが大!

 肝臓に脂肪がたまっていると、代謝能力が大きくダウンしてしまいます。肝臓自体の働きも悪くなりエネルギーを燃焼させる力も落ちてきます。

 つまり脂肪肝のせいで、やせにくい体になってしまっているのです。やっかいなことに肝臓は沈黙の臓器ですから、脂肪肝に気づかないままダイエットに取り組んでいることになります。これではいくら努力しても、やせることはできません。

キーワードは「ゆる糖質オフ」、多すぎも少なすぎも注意

 ではダイエットのためにどうやって脂肪肝を改善するか、具体的にお話ししましょう。「脂肪がたまるのだから、脂っこいものや脂肪を含む肉などを控えて、摂取カロリーを抑えればいいか」というと、そうではありません。

 カロリーの高い食品は主に脂質とたんぱく質ですが、それらを多く含む肉や魚、卵、牛乳、油などを減らすと、体は「栄養が足りない」と勘違いして食欲をアップさせるなどの悪循環に陥ります。

 正解は、糖質をちょっと減らす「ゆる糖質オフ」です。

 糖質は主に主食のごはんや麺、パンなどですが、糖質をとり過ぎると血糖値が急上昇し、大量のインスリンが分泌されます。

 インスリンは糖を中性脂肪に変換してため込むので、糖質をとり過ぎるとどんどん脂肪がたまります。

 反対にまったく糖質をとらないのも間違いです。

 エネルギー源である糖質が一切入ってこないと、体は飢餓状態であると勘違いします。結果的に肝臓に必要以上の脂肪を送り込み逆に脂肪肝を招くことがあるのです。

 また、極端な糖質オフでは、食物繊維をはじめ、必要な栄養素が不足して体調がくずれやすくなります。

※本稿は『肝臓専門医が教える脂肪肝が気になる人の魔法のスープ』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。