(1)温熱環境
(2)外出のしやすさ
(3)トイレ・浴室の利用しやすさ
(4)日常生活空間の合理化
(5)主要動線上のバリアフリー
(6)設備の導入・更新
(7)光・音・匂い・湿度など
(8)余剰空間の活用
特に(1)~(4)は重要な項目とされています。冬は暖かく、夏は涼しく、外に出かけやすく、人を招きやすい、コンパクトにまとまった住宅への改修が望ましいということです。
住み替えるかそのままか
早めの選択がなぜ必要か
高齢期に向けた暮らし方のパターンは、(1)介護が必要になるまで今の暮らしを変えずに自宅に住み続ける、(2)人生の最期まで自宅に住み続けることを前提に早めに自宅をリフォームする、(3)早めに住み替える、の3つが考えられます。
(1)介護が必要になるまで今の暮らしを変えずに自宅に住み続ける……
介護が必要になった段階で自宅で暮らし続けることが可能かどうか、リフォームや介護施設への入居が必要かどうかを検討する。
(2)人生の最期まで自宅に住み続けることを前提に早めに自宅をリフォームする……
介護が必要になっても可能な限り自宅で暮らし続けられるように、車いすでの生活などを想定してあらかじめ自宅をリフォームしておく。
(3)早めに住み替える……
介護が必要になる前の早い段階から、サ高住(編集部注/サービス付き高齢者向け住宅)や自立型老人ホーム、子世帯の住まいの近くなどへ住み替える。
(1)は言い換えると「成り行き任せ」で、結果的に本人の選択ではなく家族の選択に任せることになりがちです。自宅での暮らしが難しくなるのは、本人の身体機能が低下して介助が必要になったときの備えをしていない場合や、家族が在宅介護の限界を感じたときです。
子どもが早いうちから「介護が必要になったときにどうしたいか、今のうちに未来の住まいについて選択をしてほしい」と言っても、親が楽観的で「自分はきっとピンピンコロリだからお構いなく」と耳を貸さなかったり、あるいは怒りだして「お金の心配をしているのか?余計なお世話だ」と話を断ち切ったりするケースがあります。対話や検討の機会を先送りにしていると、「介護度が上がっても自宅に住み続けたい!」と願っていても、それが難しくなり選択の余地がなくなってしまいます。







