①体をすばやく動かす

疲れているから体を休めようと思ってばかりいた。しかし、逆に体を動かせという。3分でもいい。短時間の有酸素運動をするだけでストレスリセットになる。

▶集中できそうなアクティビティを選ぼう。たとえば腕立て伏せ3回、スクワット3回、腹筋3回のセットなど。3分でも20分でも、現実的に取り組める長さにタイマーをかけ、できるだけ何度も繰り返す。
――『瞬間ストレスリセット――科学的に「脳がラクになる」75の方法』(p.181)

これは一つの例で、自分なりに調整すれば良いとのこと。これなら簡単で、疲れているときでもやってみようという気になる。

こうした有酸素運動を20分行えば、認知機能や気分の改善、ストレスの軽減につながるような変化が脳で起きるらしい。

②口角を少し上げる

ストレスを感じているときの自分の顔はどんなだろう。怖い顔をしているかもしれない。
ちょっとだけ口角を上げるだけで、面白いことに気分が変わる。

この方法は、顔の状態が感情に影響を与えるという「表情フィードバック仮説」に基づいている。口角を少し上げるだけで、気分が改善されるきっかけになるのだ。
スタンフォード大学のニコラス・コールズ博士が主導し、19か国3800人を対象にした研究でも、幸せそうな表情をつくった人はポジティブな感情をより強く頻繁に感じるようになった、という結果が出ている。
――『瞬間ストレスリセット――科学的に「脳がラクになる」75の方法』(p.198)

自分のためにやる動作であって、人に向けた笑顔ではないが、たぶん人間関係にも良い影響があるだろう。

③脚を壁につけて休む

寝転べるのであればこれもおすすめ。とくにデスクワークが長い人や、立ち仕事の人にいいと思う。

足を壁に垂直につけ、身体がL字になるようにして寝転がってリラックスする。数分間そのままの姿勢でいたら、片側に身体を傾けてゆっくり座った姿勢になる(急に起き上がらない)。

脚を頭より高く上げることで心拍数が下がり、血流が改善される。(中略)この姿勢は呼吸を自然と落ち着かせる効果もあり、心身が回復するだけでなく、意思決定もうまくなる。
もっと何かをするのではなく、あえてやらないことを強制し、上向きの視点になれるのもいい。もう1つのメリットは寝てしまわずにリラックスできる点だ。

――『瞬間ストレスリセット――科学的に「脳がラクになる」75の方法』(p.200)

短時間で疲れがとれ、ストレスがリセットされる。

これらの対処をしたうえでお酒を飲むほうが、「ヤケ酒→地獄のような落ち込み」にはならないはずだ。

そのほか、本書には「マインド」や「行動」に焦点を当てたストレスリセット法が載っている。

そのときの気分や課題によって選ぶことができるのがいい。本書を手元に、自分に合うものを見つけてみてはいかがだろうか。

本稿は『瞬間ストレスリセット――科学的に「脳がラクになる」75の方法』に関する書き下ろし特別投稿です)

小川晶子(おがわ・あきこ)
大学卒業後、商社勤務を経てライター、コピーライターとして独立。企業の広告制作に携わる傍ら、多くのビジネス書・自己啓発書等、実用書制作に携わる。自著に『文章上達トレーニング45』(同文館出版)、『オタク偉人伝』(アスコム)、『超こども言いかえ図鑑』(川上徹也氏との共著 Gakken)、『SAPIX流 中学受験で伸びる子の自宅学習法』(サンマーク出版)がある。