「ストレスを感じたらお酒や甘いもの、買い物で発散する」という人も多いだろう。けれど、これらは一瞬は心地よくなるものの、長期的には状況を悪化させるおそれがある。日々忙殺されてストレスを解消する暇がないと思っている人にこそ読んでほしいのが、『瞬間ストレスリセット――科学的に「脳がラクになる」75の方法』(ジェニファー・L・タイツ著、久山葉子訳)だ。本書は科学的に実証された不安・不満を解消する方法、自分をリセットして気持ちよく過ごせる方法を多数紹介している。本記事では「体を動かしてストレスをリセットする方法3選」を紹介する。(構成/小川晶子)
Photo: Adobe Stock
お酒、甘いもの、衝動買い…手軽なストレス解消法のワナ
あーなんか頑張りすぎて疲れちゃったな。
イライラ、モヤモヤするなぁー!
そんなとき、多くの人がとる行動は次のようなものだ。
・酒を飲む
・甘いものを食べる
・衝動買いをする
お手軽なストレス解消法である。手っ取り早くストレスを消したいとき、私はいつもこれらの方法を頼ってきた。
ところがほとんどの場合、ストレスが軽くなったと感じたのは一瞬のことで、逆に「飲みすぎた」「太った」「余計なものを買った」と落ち込むハメになる。
何か自分の気分を良くしてくれる情報を求めて、スマホをスクロールし続けるのも同じだ。
一瞬、ドーパミンが出て夢中になるが、気づくと疲れてイライラが酷くなっている。
小さなストレスを大きなストレスにしてしまう理由とは?
『瞬間ストレスリセット』著者で臨床心理学者のジェニファー・L・タイツ氏は、苦しみを悪化させる方程式を次のように示している。
――『瞬間ストレスリセット――科学的に「脳がラクになる」75の方法』(p.3)
つまり、ストレスそのものは大きくないのに、考えすぎと逃避によって、人間は本能的に状況をより悪くするようなことをしてしまうと指摘しているのだ。
「酒を飲む」「甘いものを食べる」「衝動買いをする」「スマホを延々とスクロールする」といった行動は「逃避」にほかならない。
ストレスから逃げられるならいいが、実際にはドツボにハマるようになっている。
ストレスに苦しむ人の悪循環
ストレスに苦しむ人のサイクルは次のようなものだ。
――『瞬間ストレスリセット――科学的に「脳がラクになる」75の方法』(p.8)
逃避してはまたネガティブ思考に陥り、さらに逃避……ドツボ状態である。
このサイクルが続いている限り、客観的になれず、問題解決はできない。
とにかく、このサイクルから抜け出さなければならない。そのためのストレスリセット法を紹介しているのが『瞬間ストレスリセット』だ。
テクニックの種類は「マインド」「ボディ」「行動」の3つに分かれており、どれも科学的に効果が実証されていて、驚くほど簡単なのがすごい。
ここではとくに「体を動かすこと(ボディ)」に焦点を当てたテクニックを3つ紹介したい。



