風が吹けば桶屋が儲かる

「風が吹けば桶屋が儲かる」
 というお話をご存知でしょうか?

 これを知るだけでも、あなたの文章作成は明らかにスピードアップします。

 いざ文章を書こうと思うと、思うようにペン(キーボード)が進まない経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか?

 何も書けずに時間がすぎていくことに焦りを感じ、ますます手が動かなくなるあの嫌な体験を思い出す方もいらっしゃるかもしれません。

 そういったときに思い出してほしいことが、「見出し」を先につくるという方法です。

【第1回】でお伝えしたゴール設定をして、目的地を決めたら、そこに向かうために見出しという道しるべをつけていくというイメージです。

 これから書くことの要所・要所の見出しを先につくってしまい、書き始める前に全体像を把握してしまえば、驚くほど速く文章を書くことができます。

 全体像が見えることで、安心して取り組めますし、全体を踏まえながら文章を書けるので、一本筋の通った(論点のしっかりとした)文章が書けるようになります。

 さて、「風が吹けば桶屋が儲かる」ですが、どうして「風が吹く」⇒「桶屋が儲かる」なのでしょう。

 まったくつながりのない「原因」と「結果」ですので、知らなければ説明することはなかなか難しいと思います。

 ではこれを、

●風が吹く
  ↓
●埃(ほこり)が舞う
  ↓
●目に入ってこする
  ↓
●失明する人が増える
  ↓
●三味線弾きが増える
  ↓
●三味線がたくさん必要
  ↓
●三味線に使うネコの皮がたくさん必要
  ↓
●ネコが町からいなくなる
  ↓
●ネズミが増える
  ↓
●桶がかじられる
  ↓
●桶を買う人が増える
  ↓
●桶屋が儲かる

 と、見出しで分けてみるとどうでしょう。
 かなり説明しやすくなりませんか?

 これを文章にするときには、書きやすい見出しから、文章を肉づけしていけば、気がついたときには文章が完成しています。

「風が吹く」から順番に文章を書いていく必要はまったくありません。

 見出しで全体像が見えてくると、文章が書きやすくなるイメージを感じていただけたと思います。

 あなたが文章を書くときには、ゴール設定をしたあとに、見出しを考えながら、文章のアウトライン(全体像)を決めます。

 そのあとで、あなたが書きやすいところ、思いついたところ、知っていることから、見出しをヒントに文章化していけば、1行目から手が止まり、無駄な時間を失うことはなくなります。

 そして、いままでより圧倒的に速いスピードで、論理展開のしっかりとした文章が書けるようになります。ぜひ試してみてください。

次回は6月28日更新予定です。


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     東京都渋谷区神宮前6-12-17⇒地図
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電話 :03-5778-7294 (担当:中島)
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中野 巧(なかの・こう)
1976年生まれ。10年書き続けてきた独自の文章メソッドを1枚のチャートに結晶化し、エンパシーライティングを開発。エンパシーライティングは、いまやトヨタやソニー、三菱東京UFJ銀行、東芝、富士通、DeNAをはじめとする日本を代表する企業の社員や幹部が社内外で活用するだけではなく、一部の小学校の卒業文集や作文指導、都立高校の授業、大学教員の論文作成にまで活用されている。あの神田昌典氏も「これは、日本が世界に誇れる文章作成法だ」と評した新しい文章術。本書が初めての著書となる。