文章は、原稿用紙に書いてはいけません

 私は、学校の授業で「作文」が一番嫌いでした。

 いったい何を書いていいのかわからないのです。
 夏休みの読書感想文では、「まえがき」をそのまま写して提出し、よく怒られたものです。

「原稿用紙2枚に遠足の感想を自由に書いてください」
 この先生の言葉を聞くたびに、教室から逃げ出したくなっていました。

 原稿用紙を少しでも進められるように、長い単語を何度も繰り返し使ったり、意味のない改行を繰り返しながら、なんとか2枚になるように誤魔化していました。

 いまでも原稿用紙を見るだけで、その頃の辛い思い出がよみがえってきます。

 私は、「文章は原稿用紙に書いてはいけない」と思っています。
 実際には、いまはパソコンがありますので、原稿用紙を使う人はあまりいないと思いますが、原稿用紙を使っていたときの習慣がクセモノです。

 原稿用紙に書こうと思うと、1行目から順番に書き進めることを強要されます。
 そして、この習慣が意外にも刷り込まれているのです。

 しかし、文章の書き出しの1行目から最後まで一貫性を持たせながら書き終えるのは、実はプロでも難しい作業なのです。

 ところが、本書に寄せていただいた、「神田昌典氏はじめに」に、

そして、何よりも、いままでがんばってもほとんど文字をつづることができなかった子どもたちが、先生を驚かせる文章を喜んで書くようになったのだ。
 その子たちは、それまで国語の時間、特に作文の時間が大嫌いだったのだ。
 このように子どもたちが、文章を書くことが好きになっていく指導法が生まれたことは、画期的だ。

 とあるように、エンパシーチャートを使うと、誰でもスラスラと文章を書けるようになります。

 どうしてかと言えば、エンパシーチャートでは、付せんにあなたが伝えたいメッセージを浮かび上がらせます。

 そして、それらの付せんを貼っていくだけで、付せんのメッセージが「見出し」となる文章をあっという間につくることができるからです。

 ではどうして、「見出し」を先に出すことが、文章を書くことへのストレスを劇的に軽減させるのでしょうか?

 それは、次の物語をお話しするのが一番です。