「ごめんなさい」が言えない上司がいる会社はヤバい…成長が止まる組織で必ず起きる“判断ミス”という悲劇
誰にでも、悩みや不安は尽きないもの。とくに寝る前、ふと嫌な出来事を思い出して眠れなくなることはありませんか。そんなときに心の支えになるのが、精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方(ダイヤモンド社)など、累計33万部を突破した人気シリーズの原点、『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)です。ゲイであることのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症――深い苦しみを経てたどり着いた、自分らしさに裏打ちされた説得力ある言葉の数々。心が沈んだとき、そっと寄り添い、優しい言葉で気持ちを軽くしてくれる“言葉の精神安定剤”。読めばスッと気分が晴れ、今日一日を少しラクに過ごせるはずです。

【精神科医が教える】一生、成長できない人が持つ驚きの共通点Photo: Adobe Stock

謝らない人間がいる理由

本日は、「なぜ謝れない人間がいるのか」というテーマでお話しします。

世の中には、なかなか謝れない人がいますよね。このような人がなぜ謝らないのかというと、私なりに思うところがあります。

それは、「謝ったら良いことがあった」という学習(成功体験)をしていないからだと考えています。

謝ることは悪いこと
と思い込んでいる?

しかし、一般的に見ると、素直に謝ったほうがイメージが良いですし、人間関係においてもメリットが大きいものです。

謝らない人は、周囲に「私は印象の悪い人です」と公言しているようなもの。法的な責任問題になるような場合を除けば、謝罪したほうが印象は良くなり、周りの反応も好意的になります。

にもかかわらず謝らない人がいるのは、彼らが今まで一度も謝ったことがなく、「謝るという経験をしていない」、つまり「謝る機能」がついていない状態にあるからだと考えられます。彼らは謝ることは悪いことだと思い込んでいるのです。

謝らないことの末路

謝れない人は、基本的にプライドが高いという面もありますが、結果として以下のような状況を招きやすいです。

印象が悪い:自分の非を認めず改善ができないため、人間関係がうまくいかない
成長がない:同じくビジネスなどもうまくいかない
変化できない:改善ができないということは変化がないということであり、変化がないことは悪い方向に向かう

したがって、このような人と付き合っていても良いことはありません。特に、謝らない人が上司である場合、その組織には成長が見込めませんので、注意が必要です。謝らない上司は必ず判断を間違えるものです。

「口先だけの謝罪」と「誠実な謝罪」

謝らない人は論外ですが、一方で、謝っているけれど口先だけという人も非常に多くいます

口先だけで謝る人は、「謝ったほうが周りの反応は良い」という学習はしています。とりあえず謝罪すればその場が収まるため、「謝らないよりはマシ」という程度の認識で終わっているのです。

本当に謝るということ

本当に誠実な謝罪とは、「行動を変えること」に他なりません。行動を変えずに口先だけで謝るから、「口先だけだ」と言われてしまいます。

謝罪した以上は、その後の行動を変えなければいけません。行動が変われば、たとえそのやり方が間違っていたとしても、大抵の場合は許されます。なぜなら、行動を変えたということは、「真摯に受け止め、誠実である」と周りに見なされるからです。

私が考える誠実の定義とは、「言動が一致していること」です。謝罪という「言」と、その後の「行動」が変われば、それは誠実であると見なされます。間違っていたら、また行動を変えていけば良いのです。周りから許され、印象も良くなるという良いことずくめになります。

一度、謝った上で行動を変えてみる

謝らない人は、必要な学習をしてこなかったという意味で論外です

もしあなた自身が、「どうしても謝れない」ということに気づいたなら、一度、謝った上で行動を変えてみてください。そうすれば、状況は良い方向に回り始めるはずです。謝らない人がいる場所は、たいていの場合、何もかもうまくいっていないものです。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。