ある日、突然、人柱
共同流し場で、サワ(円井わん)がトキに女中の話が来たことを聞く。無神経だと怒るサワ。「やっちゃだめだけんね」と言うが、20円と聞いてたまげる。新人教師は4円。それを言ったら、本当は教師ではないヘブンが100円で、一生懸命勉強してきたサワが4円とは、ひどい世の中である。
なみ(さとうほなみ)は「このだらくそが」とやけ酒をあおっている。さとうほなみの泣いたり笑ったり泣いたりの演技がいい。
ヘブンは学校で、「あの旅館の主人はひどい男だ。早く出ていきたい。女中さえ見つかればすぐ出ていけるのに」と自分の愚痴を、学生たちの英語のリスニングの題材にしていた。
どういうつもりなのだろう。性格を疑う。しかも、錦織の横に立ち「いったいあの男は何をやっているんだ」とこれみよがしに言う。
こんな適当な(失礼)授業で100円もらっているかと思うと、ヘブンの好感度がだだ下がりである。
数日後、トキとサワが歩きながら、錦織はあれから頼みに来ないので諦めたのだろうと話している。トキの代わりに誰か士族の娘が人柱になったのだろうとサワは想像する。
源助柱に参るトキ。「人柱っていうのは、ふつうに暮らしちょる人がある日突然選ばれる。だけんおそろしいがね」となかなか含蓄のあることを言っている。ふつうに暮している人がある日突然、人柱に選ばれて、犠牲になる地獄。なんておそろしい。それをさらりと語るのがまたおそろしい。
20円を蹴ったとき、でも内職の絵は母とふたりで1カ月やって50銭いくかいかないか。この経済格差。
「くー」「くー」とはしゃいでいると、トキはとんでもないものを見てしまう。
「ジゴク」描写が続く。









