健康的な睡眠スコアを連続変数として解析した結果、スコアが低いほどBAGが有意に大きく、健康的な睡眠スコアが1点低下するごとに脳年齢が実年齢より約0.48歳高くなる傾向が認められた。

 睡眠パターンを3群に分類して解析すると、睡眠パターンが「健康的」に分類された人と比較して、「中間」に分類された人ではBAGが0.24歳、「不健康」に分類された人では0.50歳、それぞれ有意に高いことが明らかになった。さらに媒介分析では、INFLAスコアがこれらの関連の6.81%と10.42%を媒介していることが示された。

認知機能の低下さえも防ぐ

 Dove氏は、「われわれの研究結果は、睡眠不足は脳の老化を加速させる可能性があり、その根本原因の一つが炎症であることを示唆している。睡眠の質は調整可能であることから、より健康的な睡眠によって脳の老化の加速、ひいては認知機能の低下さえも防ぐことができる可能性がある」と話している。

 Dove氏らは、睡眠不足は、主に睡眠中に働く脳の老廃物除去システムを阻害する可能性があると指摘する。その結果、アルツハイマー病と関連付けられているアミロイドβやタウタンパク質など、脳内の有害物質の濃度が上昇する可能性があるのだという。

 さらに、睡眠不足は心臓の健康に影響を及ぼし、それが脳の健康に悪影響を及ぼしている可能性も考えられるとしている。

 ただし研究グループは、本研究において睡眠不足と脳の老化の関連は示されたものの、直接的な因果関係が証明されたわけではないと指摘している。(HealthDay News 2025年10月3日)

https://www.healthday.com/health-news/senior-health/bad-sleep-linked-to-accelerated-brain-aging

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