「大学受験」は10代における最大のイベントです。残念な側面でもありますが、いい大学に行けば、なりたい職業になれる確率は上がり、将来の選択肢は増えるのが現在の日本です。一方で、「学歴」だけで人生の成功が約束されるものではありません。
本記事では「学歴だけではなく、大人になってからもなぜ学びが必要なのか」をテーマに『学びをやめない生き方入門』(テオリア)の著者であり、立教大学経営学部教授の中原淳氏と『17歳のときに知りたかった受験のこと、人生のこと。』の著者である、wakatte.TVのびーやま氏への特別対談をお届けします。(構成:藤田悠[テオリア]/撮影:Akifumi Shintani)
 Photo: Adobe Stock
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お悩み相談
「両親とも高卒です。だから自分も勉強ができなくて当然だと思います。結局、学びも「親ガチャ」なのではないでしょうか」(10代・女性)※1
「親ガチャ」に学びを左右される?
中原淳(以下:中原):まず聞きたいんですが、相談者の方は「両親が高卒である」と「自分が勉強できない」という2つの事実は、どこで、どういうロジックでつながっているんでしょう? これらは本来、別々の事象です。それらをつなぐには、中間に「なんらかの論理」が必要なはずですよね。
びーやま:そんなに厳密に考えているわけじゃないかもしれません。ただ、この方のように「親が高卒だから自分も学べない」と思い込んでいる学生はかなり多い印象です。
あとは、SNSなんかで「親ガチャ」という言葉が流行っているのもあって、それを言い訳にして行動しない子が増えている気もします。
中原:「親ガチャ」という言葉は、すごく気になりますね…。
私からすると、人生そのものが「ガチャガチャの連続」です。どこに生まれるか、どんな先生に当たるか、誰と友達になるか――選べないことだらけ。すべてが「ガチャ」ですよ。あなたの思いどおりになることのほうが、ずっと少ない。
でも、その中で「あなたは何をやるのか?」「どこに向かってがんばるのか?」が問われている。選べないのは親だけじゃないんです。ほとんどのものは、自分では「選べない」。人生そのものが「ガチャガチャ」です。ガチャガチャの連続のなかで、「何をするか?」だけが問われています。



