朝の1分、手を止めずに書き続けるだけで、脳は眠っているあいだに整理した記憶を再編集し、定着を強化してくれます。そんな「1分間ライティング法」を続ければ、トップアスリートのように、知識を反射的に引き出せる脳をつくることができるのです。話題の動画「50歳でも記憶力はアップ!加齢に勝てる脳トレ法」を公開した池田義博氏は、日本記憶力選手権大会で6回優勝。試験・資格・英語・ビジネスなど、あらゆる場面で結果を出すためのメソッドを紹介します。
※本稿は、著書「世界記憶力グランドマスターが教える脳にまかせる勉強法の一部を抜粋しました。

睡眠後の記憶整理を活かす、翌朝1分のライティング法

 この記事では、実際のアウトプットの方法について説明していきます。

 この勉強法は「1分間ライティング」といいます。

 何かを「書く」ためのノート、またはA4のコピー用紙などを準備してください。

 筆記用具は書きやすいものであれば特に限定はしませんが、鉛筆やシャープペンシルよりペンをおすすめします。

 そして、実際に1分間ライティングを使った勉強をいつ行うかですが、そのタイミングは『「ひとつずつ理解してから進む」は間違い⁉ 記憶力日本一が教える正しい記憶法「3サイクル反復速習法」とは?』で解説した3サイクル反復速習法と連動させてください。タイミングは、3サイクル反復速習法を行った次の日です。理想は次の日の朝です。

 なぜなら、記憶は寝ているあいだに整理され定着するからです。脳が編集してくれたフレッシュな記憶の状態でライティングを行えば効果抜群です。

アスリートのように、知識を反射で出せる脳をつくる

 ここで、最初に心に留めておいてほしいことがあります。この勉強法の最終目標は、トップアスリートたちのように脳の自動化を可能にすることです。

 たとえば、プロテニス界においてトップ選手ともなると、サーブは200キロ近いスピードになります。その瞬きも許されないような速さのボールを、レシーバーは打ち返すことができます。なぜそんなことができるのでしょう。

最終目標は、トップアスリートたちのように脳の自動化を可能にすることPhoto:PIXTA

 それは、練習や試合の経験の積み重ねによってレシーバーの脳がボールの速さ、コース、自分のラケットの角度などを自動的に瞬時に判断してくれるようになっているからです。

 1分間ライティングの目指すところはこのレベルです。

 何かについて問われたら時間をかけてやっと思い出せるのではなく、反射的に答えることができるレベルを目標においてください。

 当然、そのレベルの知識はいつでも取り出せる使える知識になったということです。

 さあ、勉強のトップアスリートを目指して始めてみましょう。