「俺は悪くない!」と思う前に、
「やるべきことがなかったか」を考える

 このミスについて、Bくんに問題があることは確かです。A先輩のように「こいつは使えない!」と思う気持ちもよくわかります。しかし、これは一方的にBくんだけが悪いのでしょうか? 

印刷状況を確認するタイミングがもっと早ければ、間違いに気づいて印刷し直すこともできたでしょう。A先輩は自分の仕事に対し、状況確認のタイミングを誤ったのです。

 また、「100ページの資料を50部用意する」というボリュームを考えると、試し刷りや目視確認を、A先輩が予定に組んでおくべきだったのかもしれません。

 内容だけを気にしても仕事はうまくいきません。「どの順序で、何にとり組むべきか」「どうすれば効率的になるか」を考える力が必要です。

 部下や後輩に仕事を頼み、それがうまくいかなかった場合、たとえ直接的な原因が自分になくても、「自分の段取りに問題はなかったか」「ミスを防ぐために工夫すべき点はなかったか」を考えるようにしましょう。A先輩のように「こいつは使えない(俺は悪くない)」と思うようでは、また同じことを繰り返すだけです。

 その逆に、トラブルを未然に防ぐような段取りを考えることができれば、部下はもちろん、上司からも必ず評価されます。