『チームの「モチベーション」を下げる人が言いがちな“最悪の言葉”』
それを教えてくれるのが、400以上のチームを見て「人と協力するのがうまい人の特徴」をまとめた書籍『チームプレーの天才 誰とでもうまく仕事を進められる人がやっていること』(沢渡あまね・下總良則著、ダイヤモンド社刊)だ。「チームの空気が変わった」「メンバーとの関係性が良くなった」と話題の一冊から、その考え方について紹介する。(構成/ダイヤモンド社・石井一穂)
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チームのモチベーションを下げる「言葉」
チームのモチベーションを下げてしまう言葉があります。
「楽しくっても、成果が出てないと意味ないよね?」
「こんなことやっても、成果につながらなくない?」
「私たちがやってることって、意味あるのかな?」
どれも、ありがちな悩みです。
新しい仕事やプロジェクトならなおさら。
なかなか成果が出ずに、ネガティブな言葉を吐いてしまう人もいるでしょう。
でも、こうした言葉が日常的に使われるチームほど、なぜか空気が重くなり、前向きな挑戦が生まれなくなっていきます。
変化が起きているのに、誰も「言葉」にしない
モチベーションが低いチームでは、実は“何も起きていない”わけではありません。
新しいやり方を試してみた。
顧客の反応が少し変わった。
チーム内で理解が深まった。
こうした小さな、でも喜ばしい変化は確かに起きているはずです。
しかし、それが観察されず、言葉にされず、共有されていないだけなのです。
『チームプレーの天才』という本は、メンバーのモチベーションを高める方法の1つとして、このように提案しています。
すぐに成果にはつながらなかったが、手応えは感じた。チームメンバーや顧客の反応に変化があった。そのような小さな変化を見つけたら、声に出してみてください。
「あれ、お客さんが笑顔になりましたね」
「このやり方、面白いかも」
「意外とイケるかも。もう少し続けてみたいです」
このような言語化(言える化)の積み重ねが、チームや組織全体に変化の実感と成長実感をもたらします。
――『チームプレーの天才』(333ページ)より
目に見えない変化やものごとでも、名前が付くと実感が生まれます。
逆に言えば、喜ばしい変化を見落としていると、チームはいつまでたっても「手応え」や「成長」を感じられません。
その結果、「この仕事って意味あるのかな?」という空気が、チーム全体に広がっていくのです。
モチベーションが低いチームは「変化」を語らない
モチベーションが低いチームの共通点。
それは、変化やプロセスを言葉にしていないこと。
数字という成果が出ていなくてもかまいません。
嬉しい変化や感情を言葉にする。
まずは、あなたが一言、声に出してみてください。
「これ、意外といいですね」
「あれ、今のやり方、ちょっと面白いですね」
「お客さんの反応、前より良くなってません?」
こうした一言が、変化に名前を与え、チームに成長実感をもたらします。
(本稿は、『チームプレーの天才 誰とでもうまく仕事を進められる人がやっていること』の発売を記念したオリジナル記事です)







