だが、船井電機のグループとして2023年に買収した脱毛サロン「ミュゼプラチナム」の事業において、取引先との支払いトラブルが発生。当社らが連帯保証を行っていたことから、2024年に入ってグループ会社である船井電機(旧・船井電機から事業を譲渡された2023年設立の新会社)の株式が仮差し押さえを受ける事態に発展していた。

 その後、船井電機およびFUNAI GROUPは資金繰り悪化を背景に2024年10月、2025年1月にそれぞれ破産手続き入り。秀和システムの動向も注目されていたが、7月1日付で出版事業を他社に譲渡する手続きを選択する旨の通知を出していた。

飲食店チェーン「大阪じゅうべい」も
破産前に全事業を譲渡

 5月16日に京都地裁より破産手続き開始決定を受けた、飲食店チェーン展開の「大阪じゅうべい」(京都府城陽市)もまた破産前に全事業を譲渡し、会社は消滅したものの事業は存続させた1社だった。

 同社は、1982年4月の創業から業歴40年超を数え、お好み焼き店、鉄板焼き、たこ焼き店のほか、ラーメン屋、洋食店などを出店していた。京都府や滋賀県、石川県、兵庫県で自社店舗を運営するほか、関東から九州にかけてFC店舗も展開。代表の人脈を生かして、大手スーパーや商業施設のフードコートに積極的に出店し、近年ピークとなる2015年9月期には年売上高約4億9200万円を計上していた。

 しかし、競合他社の出店もあり集客力が落ち、売り上げが低迷。2020年以降は新型コロナ感染拡大の影響から商業施設の臨時休業や時短営業が続き、2021年9月期の年売上高は約1億6900万円に減少していた。

 この間、コロナ関連融資や助成金などで資金繰りをつなぎ、京都府南部を中心に出店を進めることで業績は改善傾向にあったものの、仕入れ価格や人件費の高騰が続いたことで収益性が悪化。近年はコロナ関連融資の返済負担も重荷となるなか、2025年5月に関係会社の事業とともに全事業を他社へ譲渡したうえで、会社については破産手続き入りした。