バイオベンチャー界隈に“サンバイオショック”再来?海外大手製薬との提携解約で株価急落の慶応大発「ハートシード」の未来は?写真はイメージです Photo:PIXTA
*本記事は医薬経済ONLINEからの転載です。

 3日間で株価は半値以下となった。東京グロース市場に上場するバイオベンチャーの「ハートシード」(東京)だ。9月30日、開発中の再生医療技術について、提携先のノボノルディスクから解約の通知を受け取ったと発表、株価が急落して3日連続でストップ安となった。9月29日に3250円だった株価は3日後の10月2日には1396円にまで下落。バイオベンチャーの市場での脆さが露呈した。

 ハートシードは、慶應義塾大学医学部循環器内科の教授だった福田惠一氏が15年にCEO社長として設立。ⅰPS細胞から心筋細胞を作製し、心臓組織に移植する治療方法の開発に取り組んでいる。心臓移植や補助人工心臓が必要となる重症心不全で新たな治療法として期待され、同時にⅰPS細胞の実用化でも注目を集める。再生医療・遺伝子治療の世界市場は30年には7兆円になるとの推計があり、その牽引役となるのがⅰPS細胞とされる。ただ、世界初となる製品はまだなく、各社が一番乗りをめざして鎬を削る。なかでもハートシードは「有望株」として期待されてきた。