26年の世界経済“堅調な回復”の死角、巨額AI投資や長期金利上昇の「リスク表面化」の年!?Photo:Bloomberg/gettyimages

26年世界経済「堅調な回復」の死角
日本の財政赤字拡大もリスク要因

 2026年は、米国によるベネズエラ軍事侵攻、マドゥロ大統領拘束という思わぬ事態での幕開けとなった。またもやトランプ政権の自国第一が世界を混乱させることになっている。

 2026年の米国や日本経済、金融市場、金融政策はどういう展開が予想されるか。

 25年の経済や市場を振り返れば、やはりトランプ関税に振り回されたという印象がまず頭に浮かぶ。だが、4月の株価などの「トリプル安」に恐れをなしたトランプ政権が軌道修正し、主要国に対する関税率の引き下げや中国との貿易戦争”一時休戦”などを受けて、世界経済は3%前後の成長ペースを維持したとみられる。

 株式市場は回復基調をたどり、FRB(米連邦準備制度理事会)による利下げ期待や米ハイテク大手企業の巨額AI関連投資にも支えられて大幅高となった。日経平均株価もその流れの中で10月末には5万2000円台まで上伸した。

 26年は、少なくとも世界経済は、その余韻を引きずりながら堅調な成長と着実な株高地合いの継続を望みたいところだが、そうはならない可能性がある。

 最大のリスク要因は、米経済や市場をけん引してきたAIブームの行方だ。

 巨額のAI関連投資が続いてきたが、各社はフリー・キャッシュ・フローで賄えない部分を社債によって調達し始めており、一部では株価や社債の価格下落圧力が強まっている。

 単なる株価のAIバブル崩壊だけでも経済的被害は甚大だが、クレジット市場が絡む場合はもっと深刻になる。金融システム事故が相次ぎ、システミック・リスクに陥ることへの警戒は十分に必要だ。

 さらに長期金利の上昇も、26年秋に中間選挙を控えトランプ減税が実施される米国だけでなく、高市政権発足やドイツの積極財政への転換などの下で加速する可能性がある。

 26年の経済は堅調な回復を予想する見方が多いが、米国の利下げや財政支出増方針によって抑え込まれてきた水面下にうごめく種々のリスク要因が表面化してくるリスクにも、十分警戒する必要がある。日本の財政赤字拡大や内外に不均衡を抱えながら走り続ける中国経済が市場不安を引き起こす可能性にも、常に留意しておかねばならないだろう。